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年の暮れまで風見幽香さんを愛し続けてみた

1 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/1
ゆうかりんと温まりたい
ゆうかりんと心の芯まで温まりたい
「ねえ、寒くない?」ってゆうかりんが聞いてくるんだ 別に寒くて困るほどじゃないけど、ゆうかりんに比べたらちょっと寒い感じかな?なんて返すよ
炬燵にすっぽり入って顔だけ出してこっちを向いてるゆうかりん、この時期には我が家でよく見られる光景だよ ゆうかりんは寒いのが苦手らしくてね、
ほのおタイプよりもみずタイプよりも何よりも暖房器具に弱いんだって いつもの服の上に同じ赤のチェック柄のもこもこのどてらを着こんで
モフモフした室内用の靴下を履いていつも過ごしてるの 見た目がちょっとだけ丸っこくなって、ほらスキー場で遊ぶコロコロした子供みたいでさ、
これがなんとなく可愛いんだ そう思ってニヤニヤした眼差しを向けたりすると「寒いんだから仕方ないでしょ」だなんて牙を剥かれたりするんだよ
時は師走 マスターが全力疾走すると書いて師走だよ そうなると当然のように寒いんだよね、窓の外はどんよりした曇り空ばっかり広がっていて
植物たちは「来世でまた会おうぜ」と言わんばかりの情けない姿になって考えることを止めたりしているんだ そりゃあもう冬だからね、冬は寒いものさ
ゆうかりんは自分の事を寒がりだって言うんだ 暑いのと寒いの、どっちが苦手?っていう本当に下らない会話のネタなんかふってみたりすると
すぐに「寒いの」って返しちゃうくらいね 「暑いのは脱げばなんとかなるけど、寒いのは着てもなんとかならないでしょ?」だなんてね、したり顔で
炬燵の布団をぼふぼふってやりながら言うんだよ いや寒いのも着ればなんとかなると思うんだけどね 個人的には暑いのの方が耐えられないね
こういうふうに、ゆうかりんと俺で決定的な矛盾点のようなそうでない部分があったりするんだけども、逆にそれが二人の間で勝手に調和をもたらして
イイカンジにしてくれたりもするんだよ みんな同じじゃつまらないもんね、それに、俺は自分に無いものをたくさん持ってるゆうかりんに惚れたんだからね
ここでゆうかりんが思いついたように顔をあげて、「寒いから抱き着いてるだけだから、別に抱き着きたくて抱き着いてるわけじゃない」って言うんだよ
寝る時の話らしい、今このタイミングで俺を抱き枕代わりにすることへの言い訳を話されても困るんだよね それにゆうかりん、寒いからって言うけど
夏場でも同じように抱き着いてくるじゃないか、おかげで俺は七月の寝汗だけで琵琶湖が作れそうなくらいだよ そうやんわりと指摘してやると
「つまらない事を言うな」って逆に怒られてしまった つんとした顔で向こうを向かれてしまう 女の子ってのは真実を突き付けると機嫌が悪くなるものさ
「そんなに言うなら別々に寝てもいいのよ」とかなんとか、ゆうかりんが言ってくる きっと意図するところはこうだろう、自分はダブルベッドで寝るから
俺には床で寝ろ、と そればっかりはごめんだね、床で寝るのと夜行バスで寝るのは非常に背中が痛くなる、あれは若さがあってようやく出来る事さ
ここはいつものように全力で謝るよ ゆうかりんごめんで怒らないでね俺別に嫌じゃないからねって言ってゆうかりんにすりすり擦り寄ってみるよ
もうね、200年も一緒に寝てるとね、ゆうかりんが一緒じゃないと寝られないようになっちゃうんだよね 身体がゆうかりんを安眠グッズ認定しちゃってるの
そして何よりゆうかりんとずっと一緒がいいからね 謝って謝って謝り続けて、最初は「別にいいのよ一人でも」なんて言ってつんつんしてたゆうかりんも
最終的にはちょっとずつ端の方から溶けたみたいで「はいはい。わかったからそんな声出さないの」なんて言ってくれるんだよ やっぱりゆうかりんは優しい
で、ここでゆうかりんがおねだりしてくるんだ 「後ろから抱きしめて」ってね、背中をもぞもぞやってこっちを見るの 炬燵に足を突っ込んだ後ろから
がばっと抱き着いて身体を密着させてみたよ こうすればゆうかりん、もっと温かくなるね、って言ったら 少しだけくすぐったそうに鼻で笑って
「まだまだ寒い」なんて言っちゃうんだよ 結局寒いのは俺も嫌いさ、でもゆうかりんと距離が近くなる気がするから悪くは無いかもね?ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ


2 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/2
ゆうかりんを直したい
ゆうかりんのズレを直したい
結婚式の時の写真をさ、額に入れて飾ってあるんだよ どこからどう見ても輝かしいほどに綺麗なゆうかりんの横にすごく滑稽な格好の俺が立っていて
腕を組んでこっちを見ている写真だよ お花に包まれて、みんなに祝ってもらって、すごく幸せだった時の写真さ 我ながらなんだか誇らしいよね
その写真を見るとなんだか嬉しくなってくるんだ 自意識過剰ってやつかな、でもその写真が更なる幸せを振り撒いてくれているように思えて
すごく調子がいいんだ、心の調子がね 額から伸びたヒモを壁に画鋲で止めて、大きな鉄道のカレンダーの横にかけてあるんだよ
朝起きてくるとカレンダーと一緒にその写真が、その写真の中で優しく笑ったゆうかりんが目に入るわけ 幸せってこういうことなんだと感じてるのさ
今日も朝起きてきて、いつもと同じようにそんなことを考える、はずだったんだけどさ ちょっとだけ額が傾いているんだよね、左下がりなのさ
これは良くないなーなんて思いながら俺は額を手で弄って壁に掛け直して、ぴしっと真っ直ぐにするんだ ゆうかりんが俺を気になっちゃったのか、
寝間着姿で目をこすりながら「どうしたのー」なんて言ってくるの 「なんでもないよ」と返して、真正面から確認してこれでよしと一人で頷くんだよ
その様子を見て何だか嬉しそうな、それでいてこそばゆいような顔をするゆうかりん さて今日も一日の始まりだ、まずはゆうかりんにご飯を作るよ
って感じだったんだよ いたって普通の一日だったよ 夜もゆうかりんとお互いに身体をぎゅっぎゅっとし合って寝ただけさ 変哲のない日常だね
でもさ、次の日起きてみると、なんだかまた写真がズレてるんだよ 左側のゆうかりんの方にすすっと寄っちゃってるのか、傾いてるんだよ
昨日直したばかりなのにおかしいなあなんて思いながらまた真っ直ぐに直す こんな事もたまにはあると思うよ、別におかしい事じゃあないんだけど
これが三日も四日も続くとなるとおかしい話さ どうしても左側に傾いちゃうみたいなの 画鋲が悪いのか、額が悪いのか、はたまた壁紙が悪いのか
どれもおかしくはないようなんだけども、朝見てみると傾いてるんだよね で、五日目の朝なんだけど、直しても直してもまた傾いてるんだよ
写真の中の、頬を赤らめたゆうかりんが少しナナメになって俺を見ているのさ 写真を正面から見ながら腕組みして考えてしまったよ
唸っても何も解決しないんだけどね またゆうかりんが「どうしたの」って聞いてくるんだ 俺もまた同じ、「なんでもないよ」って返すのさ
でさ、ようやく答えが見つかったんだよね 寝る前、ゆうかりんをベッドの上で待つ時さ、そういやトイレの電気消してないやと思ってまた起きたら
ゆうかりんが写真の前で何やらもぞもぞしてるんだよ 「どうしたの?」って聞いたらあからさまにビックリした様子で「なな、なんでもないわよ!」って言うの
見てみたらね、ゆうかりん、わざわざ写真をちょっと斜めにしてるんだよ 左側をクイッと下げて、傾けて固定してるんだよ、俺が毎朝直す前の状態さ
変なのーと思ってぼーっと見てたら「バレちゃあしょうがないわね」なんて言い始めるゆうかりん 聞いてもいないのにこの奇行の説明をしてくれるんだよ
なんでも、ゆうかりんの理論によれば、写真の傾きを直す時は必ず写真を見るだろうって事なんだよね 写真に触れて、写真に見ることになるよね
ゆうかりん、写真見て欲しかったんだってさ、結婚式の時の美しく着飾った自分の姿をね 「飾っておくだけじゃ景色に溶け込んじゃうじゃない?
私は見て欲しいからここに写真を飾ったの」ってさ、ここに写真をかけたのは他の誰でもなくゆうかりんだったわけで なるほどそういうわけだったのね
なんだか遠回しなやり方だなぁと思って笑っちゃうんだよ 言われなくても毎日見るってのにね もちろんだけど今のゆうかりんも同じくらい見てるけどね
そんなゆうかりんがなんだか可愛らしくてさ、俺はいつもより暖かい気持ちになれるんだよね 個人的にはもっと写真飾りたいよ!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふ


3 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/3
ゆうかりんと探したい
ゆうかりんの靴下を探したい
「あなたー靴下がかたっぽないのー」って向こうから声が聞こえたよ ゆうかりんがまた変な事言ってるだけだろうなーと思って特に気にもかけずに
エクスパックに宛て名を間違えずに書く作業に戻るよ と思ったら俺の後頭部にぺしっと何かが当たるんだよ 落ちたソレを拾い上げてみると
ゆうかりんの白い靴下の片方でさ、どうやらゆうかりんはこれのもう片方を探しているらしい 時間差で俺のもとに不機嫌顔のゆうかりんが来るよ
「私が困ってるのに一緒に探してくれもしないのね、そんな人だとは思わなかった」なんて言ってほっぺを膨らませるんだよ 膨らませつつも目を潤ませて
俺の胸倉を掴んで前後に揺するんだ その姿は自分じゃあもうどうにもならないみたいでね、もはや俺を頼るしか無くなった、といったふうだね
仕方ないから俺も一緒に探してあげることにするよ ペンとエクスパックはデスクの上に放置、朝のポスト集荷時間に間に合えばいいかなと思ったよ
寝室に行ってみるとちょっとびっくり、箪笥の中身がしっちゃかめっちゃかなんだよね 生まれて初めてしっちゃかめっちゃかって単語使ったよ俺
靴下のかたっぽを探すあまりに散らかしまくっちゃったゆうかりん 「こりゃあ見つからないよ」ってぼやく俺を肘で小突いて「いいから探すの!」て言う
なんだか宝探しの気分だったよ こんなの夏の間ですら着ないよっていう薄い服だとか、何かのパーティという名の宴会の時に一度着たきりのドレスとか
そういうのを払ってどけて必死に探すんだよ しっかりしまっておいたはずの浴衣まで広げてほっぽり出されているから俺は困っちゃうよ
また畳み直すのは俺なんだろうなぁと思うとなんだか気が重いよね でさ、探すのはいいんだけどホント見当たらないんだよね 雲をつかむようなものさ
今度俺が探しておいてあげるから、ね?って言うんだけどゆうかりんは聞いてくれなくて、口を尖らせて半ば俺を無視しながら必死に探すのよ
俺はすぐ飽きてきてさ、「じゃあこっち探すから」なんて適当な事言って自室に戻るんだよ やれやれゆうかりんには困ったものだと一息吐いて、
また元のように郵便物に文字を書き始めるんだよ 書いてちょっと立って椅子に座ったまま伸びをしてね、ふと横を見たら何やら見覚えの無いモノが
本棚の本の後ろからちょっとだけ飛び出ているのが見えるよ 少し前に資料として使った子供向けの植物図鑑をひょいと引き抜いてみると、
後ろから解放されたかのようにぽふっと靴下が出てくるの ゆうかりんが今まさに探しているソレのことだよ どうやら本の背に挟まれていたみたい
おかしな話さ、俺としては全く覚えがないのに、何故か本棚から出てくるなんてね 本になろうとした靴下なんて一本ストーリーが出来上がりそうさ
摘まんでぐるりと見渡してから大声でゆうかりんを呼ぶ 靴下あったよーってね ゆうかりんがどたどた走ってきて俺の部屋の戸を開けるんだよ
「見つかったの!よかったー!」なんて言いながら嬉しそうにしちゃうゆうかりん 探し続けると何か思いが高まるんだろうか、靴下に頬ずりなんかしちゃって
無くしモノってのはこんなふうに意外なトコロから出てくる事がよくあるよね くたびれさせておいてポンと出てくるの これホント不思議だよね
ゆうかりんが嬉しそうにしているから俺も一安心だよ 今だけは一安心さ 更に散らかったタンスの中身を片付ける事になるってのはまだ知らないフリ
でね、ここでゆうかりんが何かに気付くのさ 「なんであなたの部屋から出てくるのよ?・・・何に使ったのよ」なんて言いだしてね 笑顔をぱっと取り外して
目を細ーくして俺を見つめるんだ 別に何にも使ってないしやましい思いなんて深爪した親指の爪ほども無いよ 必死にそう弁明するんだけども
聞く耳を持ってもらえないっていうのは悲しい話だよね 「平和そうな顔してやっぱりあなたも男の子なのね」なんて絶対に不名誉であろう事を言われて
そのままじろじろ顔を見られたりとかね ここで「個人的には素足が好き」って主張するのもおかしいと思うし、なんだか辛い展開だね!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふ


4 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/4
ゆうかりんと感じたい
ゆうかりんと冬を感じたい
肩を震わせながら森の小道を歩くよ 家に帰ればあったかい炬燵とあったかいゆうかりんが待っていると思うと自然と歩くスピードが上がってくのさ
寒いと鼻水も止まらなくなるんだよ、イイトコロが一つもないよね かといって暑すぎる夏も苦手だし、結局は年がら年中文句を垂れてるんだよね
早歩きする俺の鼻の頭にふと何かが触れるよ 上からふわふわと漂ってきて、俺の鼻に乗ってスッと溶けるそれ、はらはらと雪が降りだしたんだよね
もうすっかり冬だなぁ、なんてわざとらしく口から出てしまうよ 秋から冬に代わる時ってのは俺にとっては早く感じられるんだ、すぐ冬が来るイメージさ
そして下手したら三月の終わりまでずっと居座るの、冬っていうのは四季の中でも結構自己主張が激しい方だと思うんだよ その時さ、向こうの空に
何かの姿を発見するんだ その人影は俺を見つけると微笑みながらまっすぐ近寄ってきて、雪と同じようにふわりと地面に足をつけるんだよ
「お久しぶり。一年ぶりかしら?」なんて毎年同じような挨拶をしてくれる、幻想教の冬そのものを司る妖怪であるところのレティさん 気候とは違って
俺に温かく、優しく笑ってくれるんだ 「ごぶさたしております」なんてそっけない挨拶をしてみるよ この季節になるとレティさんが起きだしてくるのか、
それともレティさんが起きたからこんな季節になるのかは未だにわからないけど、そのどちらかは正しいだろうって言えちゃうようなそんな方さ
冬の間の暇潰しとしてよくゆうかりんと遊んだりゆうかりんをからかったりしてくれるの、普通の言い方をすると「ゆうかりんのいいお友達」ってところかな
レティさんは挨拶のつもりなのか、俺を正面からぽふっとハグをしてくれる 「あら、ちょっと薄着じゃない?防寒対策はちゃんとしないとね」なんて言って
ちょっと小恥ずかしい気がしてぐいと身体を離して「明日からはそうします」なんて言うのさ こういうところをゆうかりんに見られでもしたら、それこそ
最終回放映時に延々とボートの映像を流すハメになりかねないからね 家に向かって少しだけ歩むスピードを落とした俺にレティさんはあわせてくれる
当然と言えば当然だけど、こういう時はゆうかりんの話になる 「貴方のお嫁さんは元気にしてる?喧嘩ばっかりしてるんじゃない?」だとか
探りを入れられるように聞かれるんだ レティさんにも一応披露宴の案内は出したから、結婚したという事実は知ってくれているらしい ただ時期が悪くて
出席できなかったとも聞いた まあその時は秋だったからしょうがないね 「変わらず元気ですよ。結婚する前と同じ」だなんて当たり障り無く返してみる
「一年間も合わないと顔が懐かしくなるものね」と、レティさん 毎年同じような会話をしている、それはそれで生ぬるくて緩くて気が休まるんだけどね
この後我が家でお茶でもどうか、ゆうかりんが待っているはずだから、と誘ってみるんだけど レティさんは少しだけ申し訳なさそうな顔をして
首を横に振るんだ 今日はまだちょっと用事があるんだってさ それは残念だと告げると、「その分ちょっとプレゼントを用意したから、早く帰ってみたら?」
って言われるの 何の事だろうと思うんだけどレティさんは教えてくれず、適当な別れの挨拶を言ってまた冬の空をふわりと飛んでどこかへ行ってしまった
言われたとおりに家に帰ってみるとびっくりだよ 今まで通ってきた道には全く積ってなかったのに、我が家だけ雪が積もりまくりで豪雪地帯になっちゃってるの
寒気団を操ってこういうイタズラができるのもレティさんの特徴さ 規模が大きすぎて毎回驚かされちゃうよね ショートケーキみたいになった我が家の
周りをちょこちょこと動き回るのはゆうかりん 必死に雪かきを繰り返してるみたいだよ ただいまと言うと「帰ってくるのが遅い!」と一括 機嫌マイナスだね
「黒幕はレティさんだよ」って言ったらべしゃっと溶けかかった雪を顔面に投げつけられて、「そんなの誰だってわかるわよ!」と言われてしまった
そのあとはゆうかりんと二人揃って寒い寒いって言いながら雪をどかしたり雪に八つ当たりしたりしたんだ もう疲れたよ!冬は辛いね!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふふふふ


5 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/5
ゆうかりんと食べたい
ゆうかりんと大切な料理を食べたい
ゆうかりんを調理して食べてしまうというのも大切な気はするけど、俺はどっちかっていうと「ゆうかりんと一緒に食べる」方が好きだから
一方的に料理しちゃうのは好きじゃないんだ だからと言ってお互いにお互いの肉を料理して食べさせあうのが好きってわけじゃないんだけどね
おゆはんの時にゆうかりんが聞いてくるんだ 「あなたにとってのオフクロの味って何?」ってね オフクロの味、これまた不思議なワードが出たものさ
つまりそれは思い出に残る母親の手料理の事かな?って聞き返すとゆうかりんはお野菜の煮付けを口に運びながら首を縦に二回振るんだ
時々ゆうかりんは俺の昔の事を聞こうとしてくる それは気遣いなのか単純な興味なのかはわからないけども、たびたび話のネタになったりするの
でも俺自身あんまり昔の事は覚えてないんだよね、長い年月のせいもあるし、幻想教に迷い込んだ時に大半の記憶を失ってしまったちうのもある
だけどこの質問には答えられるよ 答えは「基本的に自炊だったからそういうのはなかったかな」だね 飯の準備は自分でやってた記憶があるよ
「あら、そう」なんて言うゆうかりん その反応はなんとなくつまらなそうで、期待外れだったのかなという気もするよ そのまま二人でもくもくと
お魚の塩焼きに手をつけたりする ゆうかりんの方を見ながら、その「オフクロの味」という単語について考えてみるよ そういうのがあった方が
人生としては得な方なのかな、なんて勝手な偏見に満ち溢れた利害の面から考えてみたりとかするんだ でも俺に思い出の味という存在が
無いのかと言われると別にそんなことはない 俺の思い出の味と言えばあれだよ、同棲生活を始める前にゆうかりんがよく作ってくれた、
向日葵の種クッキーさ 食べられる種類の向日葵の種が結構自己主張強めに盛り込まれているやつでさ、時により黒ゴマも入ってたりとか
俺の苦手なレーズンが入ってたりとかしたの 毎回毎回決まったように「嫌なら別に食べなくていいから」って言って、俺の前に
クッキーの入ったちっちゃい包みを渡してくれたゆうかりんを思い出すよ 思い出したらその温かさゆえになんだか心が和まされてきたよ
「何ニヤニヤしてるの?」ってテーブルの向こう側からゆうかりんに突っ込まれてしまったので、一通り向日葵の種クッキーの事を話してみる
どことなくむずがゆいような、一方であまり良さそうな顔をせずに「あー、そんなのもあったわね」なんて言うんだ 俺にとってはあれが思い出の味で、
それこそ「オフクロの味」になりえるものだと告げるとゆうかりんはくすぐったそうにして、少しの間黙ったんだ ダウン追い打ちをするように
「最近は作ってくれなくなっちゃったね」なんて言うと、「何百年も昔の話を出さないの」なんて言われてね、軽く怒られてしまったよ
ゆうかりんにとっては「昔の話」になってしまってるらしい 何も言ってないのにゆうかりんの言い訳タイムが始まったよ 最近作っていないから
腕がなまってしまったとか、俺も向日葵の種を食べ過ぎて飽きてしまっただろうとか、俺に作らせた方が2割増しくらいでおいしく作れるとかね
なんとなくだけど、恥ずかしいのかな?ゆうかりん 気になる女の子の手作りのお菓子をもらえて、そしてそれがすごくおいしかったんだから
個人的にはすごく素敵な思い出なんだけどな 遠回しにハッパをかけるように「材料さえあればまた作れるよね」なんて言ってみたりすると
即答で「作らないから!忘れて!」って言われるんだ 今日のゆうかりんはつれないゆうかりんだね 話を振られた側の俺だけど今となっては
その「オフクロの味」を再度味わいたくてしょうがなくなってしまってるんだ 最終的に譲歩に譲歩を重ねて「一緒に作るならいい」って言わせたよ
譲歩どころかこっちの方がいいよね、ゆうかりんと俺の共同作業さ 今の俺とゆうかりんは昔よりずっとずっと仲良しだからね!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふふふ


6 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/6
ゆうかりんに読まれたい
ゆうかりんに心を読まれたい
無表情でつまらなそうに地底に引き籠ってなんていなくても人の心くらい見透かせるんだというゆうかりんの言う「愛の力」を一心に受けたい
「愛し合っていれば考えくらい読めるのよ」と豪語するゆうかりんは何だか物凄い自信だよ 根拠の無い自信でここまで胸を張れるなんてね
ゆうかりんのそういうある意味無茶なところだけは見習いたいなーなんて思ってる ゆうかりんが俺を椅子に座らせて、その前でうんうん唸るの
俺が考えてることを一字一句逃さずに当てて見せるんだってさ そんな事ができたら凄いよね、凄いというかさとりさん涙目じゃないかな
ついでに完璧に心の声を当てたら何かご褒美をくれとねだってくるの 図々しいゆうかりんのペースに毎回乗せられる俺も俺だよね
さっきさ、「根拠の無い自信」って言ったけどゆうかりんは本当は何かしら根拠があるのかもしれないね だってこんなに自信満々なんだもの
「俺がルールだ」と言わんばかりに乱暴な運転をする初老男性みたいな顔をしているよ 本当にゆうかりんが俺の心を読めるのだとしたら
すごいよね、面白いよね、酒の席での話題にも事欠かなくなるだろうね 俺も何かしらそういうイイカンジの特技を一つ身に着けたいものさ
俺の目の前に座って、とんちを披露する直前の小坊主みたいに唸り始めるゆうかりん 額に手をやったり、時折俺の顔を見たりするの
本当に俺の考えを当てられるんだろうか、いやまあ結局信じてないんだけどね 簡単な回答例として何か適当な事でも考えておくことにする
ポッと頭の中に浮かんだ単語を脳内で何度も何度も反復するよ タケノコタケノコタケノコタケノコタケノコ・・・ってね ニョッキッキ状態さ
もし俺の考えを読んだゆうかりんがきのこの山派だったら激怒するだろうなぁなんて思いながら一心不乱に心の中でタケノコと唱え続ける
文字数にして四文字分の簡単な考え、ゆうかりんは本当に読めるのだろうか 期待はしてないけどなんとなくゆうかりんが気になるよ
そろそろ何かしらアクションを起こすかなと思ったらバッとゆうかりんが顔をあげるんだ 「読めた!」って堂々と宣言しながらね
思わず身を乗り出してしまう ゆうかりんの口は「た」と「け」と「の」と「こ」の音を発するだろうか 適当な事なんか言い出したあかつきには
ここぞとばかりに小馬鹿にして弄って弄って弄り倒してやろうなんて言う考えも浮かび上がるよ 自信満々なゆうかりんの目線が
俺の目線と勝手に交錯する さあ何て言うんだゆうかりん、さあ、さあ! そしたらゆうかりんは何故かぽっと頬を赤らめて目を細めて
「ずっと私の事考えてたでしょ?バレバレなんだから」なんて言い出すんだよ 自意識過剰、それ完全に気のせいだよゆうかりん
頭の中のタケノコは地面に隠れちゃったね なんとなく恥ずかしそうにするゆうかりんを見てると体中の力が抜けていっちゃう気分だよ
頬に手を当ててイヤイヤしながらときどきチラッと俺を見るゆうかりん なんだかここで否定するのも可哀想な気がしちゃったから
ぎゅっと抱き寄せて頭の上に手なんか置いてわしわししてやりながら「正解です」なんて言ってやったりね 俺、心じゃなくて空気なら読めるよ
大喜びするゆうかりんと、そこまで喜ばれると案外悪い気もしない俺 愛の力が俺の心を見透かして二人の想いを一つに紡いだだとかなんとか
調子の良い事ばっかり言うゆうかりんを抱きしめたり抱きしめ返されたり で、ゆうかりんはお決まりのように何かご褒美をねだってくるんだけど
モノとしてのご褒美を与えないと宣言した上で今度は俺が心を読んでやると宣言するよ そしてゆうかりんを喜ばせてあげようと思うんだ
これが俺のご褒美だよ でもゆうかりんが「別に年がら年中あなたの事なんて考えてないけど」とか言っちゃったら泣く!泣くよ!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふ


7 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/7
ゆうかりんと買い物に行きたい
ゆうかりんと神社に買い物に行きたい
神社はスーパーでもなければデパートでもないって?ちゃんとわかってるよ 俺もゆうかりんもそこまで無知じゃないしそんなに若くもないからね
でも初詣で神社に行ったらいろいろ買うじゃないか まあ今はまだ年明けじゃないってこともちゃんとわかってるからね おみくじは絶対買うよ
恋愛運が良くなかったら連コインするくらいの勢いで買うよ、オトナ買いでもいいな あとは熊手とか買うよね 福はいっぱい欲しいからね
さて今日はおててを繋ぎながらゆっくりゆっくり歩いてさ、拍例神社までやってきたんだよ 俺とゆうかりんの中で「神社」といったらこっちの方さ
どんな時間に訪れても人気がなくて寂れていて、同じ人だの妖怪だのがいて、だから気損ねすることがなくて、どことなく過ごしやすいんだよね 
でもデートスポットとしては三流以下だと思うよ 口煩い巫女さんがいるんだ ゆうかりんとほっぺをつっつき合っていると「退治してやろうかしら」なんて
言ってため息の音を聞かせてくれる巫女さんがね 本当はデートじゃなくてこの巫女さんに用があるんだ 今日も軽く社交辞令の挨拶してやるよ
俺が頭を下げる横で、ゆうかりんは「いつもうちの旦那がお世話になってますわ」なんて言ってね、スカートの端を摘まんで持ち上げたりするんだ
こういう時の何やら嬉しそうな顔のゆうかりんもまた可愛いよ 個人的な意見としては俺よりゆうかりんの方がお世話になってる気がするんだけどね
今日はね、お札を貰いに来たんだよ 妖怪退治のビンビン来るようなスゴいお札さ、定期的にこの巫女さんから買わせてもらうんだよ
この世界には恐ろしい妖怪が跋扈ん跋扈んしてるわけだからね、自称普通の人間であるところの俺にとってのマストアイテムさ、必需品なの
これがないと妖怪に襲われた時に生きて帰れないからね まあ、でもゆうかりんが横に居てくれたりすればそんな問題は無い気はするんだけど
ゆうかりん強いからね 俺の知ってる中では一番強いよ 俺のゆうかりんは強くて可愛いんだよ 駅前でビラを配って自慢してやりたいくらいさ
でも仕事の往き帰りは一人だから、お札が無いといけないの お札は本当に協力なものでさ、持ってるだけでも効果があるとかないとかでね、
どんな妖怪に襲われてもブリキの仮面みたいにビッタと張り付ければたちまち効果てきめんマラビンビンで、お引き取り願う結果になるんだよ
巫女さんからお札の束を手渡されて、それと引き換えに結構な額のお金を渡す ゆうかりんは横から「もったいない」なんて言ってくるんだけど
やっぱり用心するに越したことはないからね 転ばぬ先の杖、先っちょだけにしてもゴムってヤツさ 買い物だけしてサッサと帰るのも何かアレなので
いつものようにお茶を貰おうと思ってゆうかりんと縁側に腰かけたんだけどさ、ここで問題発生だよ うっかり手を滑らせて、ゆうかりんの福の上から
胸元にお札を押し当てちゃったんだよね ヤバいと思ったよ、ゆうかりん一気に顔を曇らせて声にならない声をあげるんだ 血の気が引いたよ
あわててお札を剥がすんだ ゆうかりんの胸元をがばっと開くと真っ赤になってお札の形にアザになっててね 変な汗がドバッと一週間さ
「い、痛い・・・」なんて言い始めて俺はオロオロさ どうしようかって聞いたら「舐めて」って言うの 舐めて痛みを癒せって事なんだと思うんだ
俺はすぐ従うよ 真っ赤になって熱をもったゆうかりんの胸元に舌を這わせるのさ それで痛みが引けばいいなと思うんだけど、ここで巫女さんが一言
「痛がってるのもどうせ演技でしょ?」なんていう鋭い突っ込みが来るわけよ それを聞いたゆうかりんは打って変わってケタケタと笑いながら
「演技は時にオトコを喜ばせるものなのよ」って答えるんだ 喜んでいるのはゆうかりんの方でしょ、なんていう俺の心の中の最大反撃を
巫女さんが代弁してくれないかなぁなんて思いながらただただ胸元に顔をうずめてペロペロさ 犬!もう犬!犬でいいよ俺!ワン!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふふふ


8 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/8
ゆうかりんを受け入れたい
どんなゆうかりんでも受け入れたい
ゆうかりんの調子が悪い時っていうのはすぐわかるよ 俺だってかれこれゆうかりんと200年以上も連れ添ってきたわけだからね
パッと見てもわかるし、声を聞いてもわかるし、たぶん息遣いとか触れた体温とかでもわかるよ もしかしたら気配だけでもわかるのかもしれない
そういう関係なのさ で、ゆうかりんの調子が悪い時はそれなりの対応をしてやるんだ ここらへんは完全にギブアンドテイクな関係だよね
ゆうかりんのお腹が痛いなら軽く擦ってあげたりとか、おゆはんは消化のいいものにしたりとかね 何かを望むのであれば確実にこなしてあげるしね
俺にとっての一番の幸せはゆうかりんが健康であることだよ これは「健康体のゆうかりんが一番かわいい」っていう独自論理に基づく発言さ
そしてゆうかりんが健康だと俺も健康になるものさ 最高のゆうかりんの笑顔を一番近くで受け取れるわけだからね、これは当然の事だよ
さてさて今日のゆうかりんはね、なんだかとても機嫌が悪いみたいなんだ 目をキッとして、口もきゅっとむすんでいる と言っても今日だけじゃなくて
最近はそんな傾向が強かったんだよ 何かにつけて八つ当たりがちでね、たぶん昔のゆうかりんが気分で大量虐殺なんてしていたのは
こういう気分の時だったんだろうなって思うよ でね、そういう時に限って俺もミスをしちゃうんだよ ただただ服の袖がグラスに触れてね、それが倒れて、
テーブルの上に牛乳をばーってこぼしちゃったんだよね やってしまったなと思ってね、ふきんで牛乳をぬぐいながらゆうかりんに「ごめん」って言うんだ
そしたらゆうかりん、「ほんとあなたって鈍臭いのね!もう知らない!」なんて言いながら立ち上がるんだよ 持ってた箸を俺に投げつけて、
ずんずん歩いて行って寝室の扉を壊れそうなくらい音を立てて閉めちゃうんだ 機嫌が悪い時っていうのは何をされても腹が立つものだよね
それは膨らんだ風船みたいなものさ パンパンだからどこを触られても割れちゃう危険性があるじゃないか まあね、虫の居所が悪かったんだろうね
ここで「ふーんだ!ゆうかりんなんて知らないもん!」ってなっちゃう奴はまだまだ半人前、それどころか半熟英雄みたいなものだよ
そういうゆうかりんをもちゃんと正面から受け止めてあげないといけないよね ゆうかりんだって一人の女の子なんだから、そういう時もあるよね
それに女の子の日っていう感覚は男の俺にはわからないんだよ わからないからこそ、もっと広い心を持ってゆうかりんの事を受け止めてあげたいの
そんなことを考えながら牛乳を拭ききるよ 牛乳を拭いた後の布巾ってなんでこんなに臭いんだろうね こればっかりは俺も機嫌が悪くなりそうさ
後はゆうかりんが出てくるのをゆっくり待つよ 一人で食事を終えて、ソファーに腰掛けて本でも読みながらゆっくりゆうかりんを待ってるんだよ
そのうちゆうかりんが出てくるんだよ 何やらまだモヤモヤしたような表情で、申し訳なさそうで、それでいてばつが悪そうな不思議な様子でね
俺はそんなゆうかりんを、両手を広げて待ち構えてやるんだ 「ん」って言いながら両手を広げる、ゆうかりんを抱きしめる準備が万端ゲットレディさ
何も言わずに俺の腕に収まってくるゆうかりんを抱きしめ返してやって、頭なんて撫でてやったりしてね ゆうかりん心音を感じながらも
「別に俺は気にしてないよ、俺の方こそごめんね」なんて言ってやったりね たぶん、機嫌が悪いだけじゃなくて色々不安なんだと思うの、そういう日さ
俺の胸にぐうっと顔をうずめて、ちっちゃい声で「・・・見ないで。あっち向いてて」なんて言うゆうかりん はいはいと適当に返してやってね、
窓の外を見ながらまたゆうかりんの頭とか背中とかを撫でてやったりするんだよ 俺はいつでもこうしてやるつもりでいるよ お互いどうなろうとね
ゆうかりんに嫌われたとしても俺は受け止めてやるつもりなんだ エゴでしかない気もするけど、何もしないよりはマシかな?ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふふふふふ


9 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/9
ゆうかりんと思いたい
ゆうかりんと結婚を思い返したい
結婚したことによって何かが変わったかと言われれば、正直なところを話すと「何も変わらなくてびっくりしているくらい」って感じなんだよね
一時期は本当に騒がれて、俺もゆうかりんもいろんなところに引っ張りだこで、散々良くも悪くもネタにされたし、披露宴費用とかはすごくかかったけど
結局のところは変わらないんだよ まあ、元々そんな感じで同棲してたっていうのもあるけど、「なんだ結婚ってこんなものか」って言えちゃう感じだったの
でもやっぱり充実感はあったよ 俺とゆうかりんが夫婦というカタチをとれるって事が本当に嬉しかった ずっと憧れてはいたんだ、踏み出せなかっただけで
やっぱり人生変わるよね、200年生きてきてもこんな喜びは味わった事が無かったからね 結婚したことは間違いじゃない、それは確かな話だよ
ゆうかりんも基本的には同じみたいで、俺から見て何か変わったことがあるかと言えば、積極的に「旦那」とか「夫」とかって単語を使うだとか
その程度の話かな でも昔からそういう風に言ってたんだけど、さらに使うようになったんだよね 加えて自分を「家内」だと称したり
「新妻」という響きに妙にニコニコしてたりとかそのくらいさ 俺はそういうのをなんとなくおかしいなって思いながらこれまたニコニコして見てたりするよ
そんなもんだよね やっぱり根本は変わらないのさ たぶん俺とゆうかりんはいくつになってもずっと同じような生活を続けていくだろうから
変わられても困るんだよね でもさ、こう思ってたんだけどさ、ゆうかりんはもっと他に思う事があるみたいなんだよ のんびり週刊漫画雑誌を読みながら
今回の冨樫は結構頑張るなーなんて思ったりしてたんだけど、ゆうかりんがすすっと横に座ってきてね、俺の手に自分の手を重ねてきたりするんだよ
ゆうかりんの手に触られる俺の手、マウスを握るみたいに俺の手に重ねてくるもんだから、ふるふるってやって揺り落そうとしてみたりとかそんなことをする
でね、ゆうかりんが言うんだ 「結婚は権利だ」ってね いきなりだよ、次は最近つまらない魚人島編を見ようと思っていたからびっくりだよ
何だかその言葉が切ない感じがしたんだ ちょっとびくっとするよね ゆうかりんは相変わらず俺の手の甲をいいようにしながら話を続けるんだよ
「あなたを独占する権利を私が身を捧げて手に入れたの」ってね 結婚っていうのは確かに身を削る事でもあるよ 自分を縛るSMプレイみたいなものさ
結婚という名の制約の中に二人で飛び込むのさ そうすればもちろんの話だけど、結婚する前の状態には戻れない、完全に戻ることはかなわなくなる
でもそれで「あなたを独占して一番近くで愛し続ける権利を得た」ってゆうかりんが言うんだ それは俺においても同じだね、俺はゆうかりんの夫だから
誰よりも近くに居れるはずなんだ 澄まし顔のゆうかりんが続ける 「だから私はあなたの事をもっと想ってもいいはずなのよ。帰りが遅かったりしたら
どこで油売ってるのーって怒るし、朝なかなか起きなかったら疲れてるのかなーって心配するし、浮気なんかしようものならその時はぶん殴る」ってね
そう言いながら、俺の手を持って、両手で包み込むようにしてぎゅっとするんだ そのまま自分の胸元に押し当てて、目を閉じて俺を感じてくれるの
その姿を見て、俺もなんだかもう一度考えさせられるよ 「そっか、だってもう夫婦だもんね」なんて、偉そうな言葉が口から勝手に出ていくんだ
「夫婦ってのは二人三脚なのよ」ってゆうかりんが言う 「あなた一人の身体じゃないんだからね」だってさ なんとも言えない気分になったので、そのまま
俺一人の身体じゃない身体でゆうかりんを正面から抱きしめてやったよ そのまま二人で、時間を忘れて抱き合っていたんだ 夫婦って素晴らしいよね
ゆうかりんと出会って、くっついて、一緒に過ごして、結婚して、今までよりもっと近づいて、やっぱりこれは俺にとっての幸せなんだなぁって思うよ
ちっぽけな願いが叶うなら一生幸せに生きていきたいよ それにはゆうかりんが必要不可欠さ ずっと一緒に生きていこうね、ずっとね!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふふ


10 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/10
ゆうかりんを掘りたい
逆にゆうかりんに掘られたい
ゆうかりんと掘ったり掘られたりの仲になりたい 「掘る」という単語で思うことはいつも同じで、我が家の庭とか花畑とかの草花植物を植え換えする時
必ずスコップを振るうのは俺の役目なんだよね ゆうかりんは縁側に座ったり、お花をなでなでして会話したりしながらその俺の姿を見てるんだよ
普段運動しない俺にとっては重労働さ それにこう言ってしまうのもだいぶ馬鹿げてる気がしないでもないけどさ、ゆうかりんがスコップで土を突くだけで
地面がメリメリっと盛り上がって勝手にロバートブルースバナーもびっくりな状況になっちゃうんだから俺がひーこら額に汗水たらしてやる必要もないはずなのさ
でもゆうかりんの「頑張ってるあなたが好き」という一言は何より強いよね 二人だけにはわかる魔法の言葉、君を変える栄光の一句、まさしくそれだよ
だから微妙に不満は感じつつも俺は土を掘り返すんだよ まあゆうかりんが見ていてくれればいくらでも力なんて湧いてくるからへっちゃらなんだけど
さてさて、今日ね、風呂に入ろうとしてる時にゆうかりんがぽつりと言うんだよ 「掘っておこうかしら」ってね 服を脱いで洗濯機にポイした後の
生まれたままの状態の俺の後ろ姿を見ながらそんなことを言うモンだからいろんな意味で驚いたよ バッと自分の出口穴を押さえてゆうかりんを見ると
呆れた表情のゆうかりんに脛をちょんと蹴られて「そういう事じゃない」って言われるんだ 土を盛り返す程のゆうかりんの力で脛を蹴られたわけだから
痛みをこらえてぐりんぐりん!!!!!!ってなるのは当然だよね 寒い脱衣所の床を全裸でゴロンゴロンするのはこれでも結構我慢してる方なんだよ
でね、お互いに身体を洗いあって、湯船の中でまったりと身体をくっつけ合ってる時に聞いてみたんだ それじゃあどういう意味だったの、ってね
ゆうかりんはしれっとした顔で湯船に浮かべているぴかぴかきんぎょをつっついて遊びながら「私の名前を書いておきたかったのよ」なんて言うの
「何に?」という俺の質問は当然のもののはずだよ ゆうかりんもこれまた当然のように「あなたに」って答えるんだ ゆっくりと俺の方に向き直って
「ペンで書いても消えちゃうじゃない?だからちゃんと、あなたの身体に『これは私のものだ』って書いておきたかったのよ」って言うんだよ
そのままね、俺の胸元にグッと爪を立てるんだ お手入れされた爪が食い込んで痛いんだよ ゆうかりんによると俺は「ゆうかりんの所有物」ということらしい
誰にも渡さないつもりなんだろうね、このまま、ずーっといつまでも、誰にも触らせないようにして傍に置いておきたいんだろうね、そんな気持ちが伝わってきて
俺は誇らしい気持ちにさえなるんだよ もう掘られてもいいよね むしろバッチコイだよね ただ名前を掘るってことはつまりタトゥーってヤツだよね、
本当にやるのであれば出来る限り目立たない場所にやって欲しいものだと思うんだよ しばらく見つめあっていると、ゆうかりんはちょっとだけ申し訳なさそうに
胸に突きたてた手を離すのさ ゆうかりんの爪によってできた5つの痕、これだけでも俺は十分だよ ゆうかりんの想いのこもった5つのお星様さ
これは時間が経つと消えちゃうんだよね でも俺の身体に染み入るようにして消えるの そういうのが、なんとなくいいなあって思ったりするんだよ
でさ、俺がわざとらしくゆうかりんの肩なんてするするっと触りながら「俺もゆうかりんに刻みたい」って言うんだけど、ゆうかりんはニヤっと笑って
「それにはまだちょっと早いんじゃないかしら?まだまだあなたは青いんだから、認めないわ」なんて言われるの ゆうかりんは一方的に掘るつもりなのに
俺はダメってどういうことだいそりゃ酷いよ マージだって自分の性器にホーマーの名前を入れてるじゃないかって必死に力説するんだけども
「他は他、うちはうち」っていう反論を持ち出されてしまってぐうの音も出ないよ 子供みたいに顔をくちゃっとして笑いながら、ゆうかりんは俺を小突いて
「そのうちね」なんて言うんだ お互いの名前をお互いの身体に、そして心に刻み合うなんて素敵だよね!だってそんなの絶対嬉しいよ!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふふふ


11 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/11
ゆうかりんに食べさせたい
ゆうかりんにお菓子を食べさせたい
リビングのソファに浅く腰掛けて、100円ショップで買ってきたバナナチップスの封を開けるよ 果物は基本的に嫌いな俺だけど、
バナナチップスだけは別格の特別優遇だよ これがたまらなく好きでね、旅行に行く際には必ずおやつとして鞄に忍ばせて行くんだよね
まあでも旅行はもうちょっと先なんだけどね 今はちょっと我慢ができなくなって食べ始めちゃったんだよ 旅行の時にはまた一個買おう
「何食べてるの?」ってゆうかりんが言って、俺の手を止めてくるんだよ この発言の意味はあれだよ、もうちょっと突っ込んだ意味があるのさ
具体的に言うと「私に何の断りも無く何を食べているのか、それを私に食べさせる気は無いのか」って意味だよ まあ、ゆうかりんだからね
そのまま俺にもたれかかるようにしてくっ付いてくるの 俺は袋の中から一つをつまんでゆうかりんの目の前に下げるようにして見せるんだよ
「食べる?」って言ってね、そして口を開けさせるんだ ゆうかりんは馬鹿の一つ覚えみたいに大きく口を開けてね、あーんなんて言いながら
目までつぶっちゃうんだよ 俺の言った事を何も疑わずにその通りにしちゃうゆうかりんを見てちょっとだけ笑っちゃうんだよね
それだけ信用されているってのはすごく嬉しい事ではあるけど、もう少しぐらい疑ってかからないと大変なミスをしてしまいかねないよね
そう思いながらもバナナチップスをゆうかりんの舌に乗せる そのままもぐもぐするゆうかりん、「ふむふむ」なんてわかった事を言いながら
俺の顔をじっと見つめながら咀嚼だよ どうやらなかなかおいしかったらしくて、何度か無言で肩でぐいぐいって押してきておねだりするんだよ
「そんなに食べるとおゆはんが食べられなくなっちゃうよ」って言っても「別にいいもん」なんて言いながら、また目を瞑って口を開ける
そこに俺がバナナチップスを落としてやる こうやって二人で食べてたら、100円均一のちょっぴりしか入ってない袋なんてすぐ無くなるよね
残りはほんのちょっとになっちゃった袋 もう一個買ってくるべきだったかなーなんて思いながらゆうかりんに見せつけるんだよ
そしたらゆうかりんは俺の手からその袋をバッて取っちゃうんだよ 勢い良くね といっても独り占めするつもりではないみたいで、どうやら
俺にも同じことをしてくれるつもりらしい 袋の中のバナナチップスを一つ摘んで、俺に「口、開けて?」って言って笑いかけるんだよ
バナナチップスをつまんだ指をふりふりと揺り動かして見せつけてくるんだ 俺もさっきのゆうかりんと同じように、全く疑う事をせずに
ゆうかりんの方を向いて口を開けて目を瞑って待つんだ ゆうかりんが俺の口にバナナチップスを乗せてくれる時に、素早く口を閉じてやって
つまんだ人差し指と親指をペロッとしてやろうかなんて思いながら、ずっと口を開けてるんだ でもね、いっくら待っても何のアクションもないの
口を開けてずっと待ってる俺、はたから見たらおあずけポーズってやつだね、流石に舌が渇くよ それなのにゆうかりんはエサを一向にくれなくて
それどころか、目を閉じた向こう側からはガサガサとかボリボリとかそういう音が聞こえるんだよね 何かおかしいと思って目を開けてみたら
時既に遅しというかなんというか、ゆうかりんが残りのバナナチップスを食べ終えたところだったんだよ えっじゃあ口開けてた俺は何なの?って
聞いてみたら「誰もあげるなんて言ってないでしょ?ただ、馬鹿みたいに口をあけてじっとしてるあなたの顔が見たかっただけよ」だなんてね
一本取られたというか、一本も取られてないような、一杯食わされたような、やっぱり食わされてないような気分さ ゆうかりんは満足そうに笑って
俺の鼻をちょんと人差し指で触れるんだよ 「あなたって純粋よね、たまには疑う事をしてみたら?」なんて言ってさ!お互い様だよ!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふ


12 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/12
ゆうかりんを嫌いたい
ゆうかりんの事を嫌いたい
文々。新聞ってのは昔は役に立つ新聞だった気がするんだよね 幻想郷全土のニュースやら何やらが載ってて、新聞として役に立つものだったはず
でも最近は随分と風変りしちゃったよね なんていうか、地下鉄の中吊り広告にあるような見出しばっかりなんだよね ゴシップ誌じゃないんだから
「そっちの方がウケがいいんです」と語るのは自称・文々。新聞の編集長さん 今日は是非ともインタビュー記事を作りたいということで
わざわざ我が家へのお出ましだよ と言ってもね、ゆうかりんと俺を対象にしたインタビューなんてもう何度も何度もやってる気がするんだけどね
ゆうかりんはもう慣れたモノで、「スリーサイズ以外なら何でも教えてあげるわ」なんて適当な事を言って俺にもたれかかる余裕まで出てきたんだよ
今度は何を聞かれるのか、俺としてはたまったものじゃないんだけどね そもそも俺とゆうかりんの事を記事にしてそれが本当に面白いの?っていう
素朴な疑問は後を絶たないんだけどね、どうしても天狗の記者さんには面白く感じられるみたいでね 断っても断り切れない展開になっちゃうんだよね
身を乗り出してメモ帳とペンを構える記者さん まあね、案外俺に拒否権は無いんだよね 隠し事のできない世の中って何とも嫌なものだよね
どういう質問が来るのかと思いきや、「お互いの嫌いな点を教えてください」って言われるの 妙に自信の籠った眼差しが俺とゆうかりんを突き刺すよ
でね、俺とゆうかりんがね、声を合わせて「ない」って言っちゃったんだよ 即答だよ即答、もう反射で中昇竜出すみたいなそんな感じの即答だよ
無いものは無いよね そもそも嫌いな部分があったらこうやって身体をくっつけ合って座ってたりなんかしないと思うんだけどそこのところはどうなんだろう
ゆうかりんのする事を嫌だと思ったことは全然無いんだ 愛の真っ赤なヴェールのせいで盲目になっているのかもしれないけど、本当にそうなんだ
ここで食い下がらないのが幻想郷きってのプロの記者ってやつなのかな、「何かあるでしょう!お互いに気になる点とか!もっとよく考えてください!」って
何故だか尋問みたいになってきてるのが怖いところさ 考えても無いものは無いんだけど、このまま折角のインタビューを無下にするのも可哀想だし、
それにこのまま「無いですハイ」って言って追い返しちゃうと捏造記事なんか書かれそうで困るんだよね だからゆうかりんとお互いに何か言う事にする
嫌な点というか、それっぽい点をね 先に浮かんだのはゆうかりん、はいはーい!って言って授業中の小学生みたいに右手を高々と上げるんだ
メモ帳を構え直す記者さんに指差されたゆうかりんが言う事にはね、「夜になると途端に甘えん坊になっちゃうところかしら?困っちゃうわよね」だってさ
そう言ってくすくすと笑うゆうかりん、ニヤニヤと笑いながら凄い速さでメモを取る記者さん、そして「そんなつもりは無いよ」と必死に主張したい俺さ
ゆうかりん、何か思う事があるのかチラッとこっちを見て、また何が可笑しいのか笑う作業に戻るんだよ 俺だけ狐につままれてポイされた気分だよ
「旦那さんも案外コドモなんですねえ」「そうなのよ」なんて女二人で話し合いながら笑ってる まいったね、200年も生きてきたのに子供扱いとはね
どちらかというと夜に甘えん坊になるのはゆうかりんの方だと言ってやりたいけどもこれは俺だけが知っている秘密という事にして心に鍵をかけておこう
その代わりに俺は言ってやるのさ 「朝なかなか起きてくれないのはちょっとアレかな」なんてね ゆうかりんが夜で来るなら俺は朝で仕掛けるよ
それを聞いて一瞬で固まったゆうかりん 記者さんもぽかんと口をあけて、数秒の間の後に「それこそコドモじゃないですか・・・」なんて言うんだよ
自力で石化を説いたゆうかりんは顔を真っ赤にして必死に弁明するよ 「違うのあなたが起こしてくれるからそれまで寝てるだけで別に起きれない訳じゃ」
とかなんとかね ニコッと笑って「お寝坊さんだもんね」なんて言ってやるとむきーっと怒るの、その表情も可愛くてね、なんだか俺が得だね!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふふふふ


13 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/13
ゆうかりんに飼われたい
ゆうかりんに飼いならされたい
「じっとしてろ」ってゆうかりんに言われたから素直な俺はじっとしてるよ そのままベッドの上でぐらーんと四肢を投げ出していたんだよ
そしたら勢い良く服をひん剥かれちゃってね、代わりになんか変なフリフリの服を着せられるんだよ 頭にはツバの広い帽子をぽふっと被せられて
鎖の付いた首輪なんてハメられちゃってさ、そしてゆうかりんはボディペイント用の塗料を準備し始めるんだよ いきなりの罰ゲーム的展開で
俺は何が何だかわからないんだよね 首だけちょっと上げてさ、ゆうかりんに「何、これ?」って聞いてみると 一言だけ「仮装」って返ってくるの
いきなり仮装なんてますます意味がわからないよ、仮装なんてハロウィンにするもの・・・ と思ったところでピコーンと正解の音が脳内に響くんだよ
ああハロウィン、ゆうかりん、ハロウィンのつもりなの? もう12月だから楽しいカップルイベントとしてはクリスマスの方が近い時期なんだけどね
そこでもう一つ思い付く事があるんだよ これは重大な発見さ、塗料で真っ赤にペイントされた俺の顔が、赤の下でみるみる真っ青になっていくよ
同時にゆうかりんが優しく言ってくれるんだ 「あなた、去年のハロウィン覚えてる?一昨年のハロウィンも」ってね 痛い程良く覚えているよ
ゆうかりんと楽しい事をしよう、絶対しようって言ってたのに去年も一昨日もハロウィンパーティーするのを忘れちゃったんだよね、悲しい思い出さ
で、ね、ここからゆうかりんのアンサーチェック 「じゃあ今年のハロウィンは?」って言って、嫌にニッコリと優しい笑顔を見せてくれるゆうかりんだよ
何と言っていいものやら、カタカタと震え始めた我が身体を必死に押さえつけつつ「・・・忘れてました本当にごめんなさい」と言うだけで精一杯だったよ
ハロウィンを忘れる事に定評のある俺、10月の終わりあたりは色々忙しいという言い訳でここはひとつ勘弁して貰えないかと提案するんだけども
有無を言わせないゆうかりんの笑顔に望みはパッタリと絶たれてしまうんだよ 現に実際俺は無理やり仮装を施されているわけだからね
まあ忘れたのは俺が悪いんだし、ゆうかりんがこういうことやりたいって言うなら甘んじて受けよう と思ったんだけど最後の抵抗とばかりに聞いてみる
「なんで今ハロウィンやるの?11月の最初あたりでも良かったのに、もしかしてゆうかりんも今まで忘れてたの?」ってね まあ、結果から言うとだね、
世の中には言わなくていい事も結構存在する、という事を再確認できたから悪くは無かったって感じかな 本当のことをちょっと遠回しに言っただけなのに
ゆうかりんったらスーパースクラルみたいに俺をドッカンドッカンついてくるんだもん参っちゃうよ アバラが肛門ポッキーゲームみたいにポキポキと
軽くて可愛らしい音を立てて廃棄物になっていくのが凄く悲しかったよ 半泣きになりながら「あなたがハロウィンしてくれないから悪いんだもん」って言う
わかったわかったごめんごめん!って何回繰り返したかわからないよ 身も痛ければ心も痛いね、やっぱり大事なイベントはちゃんと楽しまないとね
ひとしきり防御側に回ってひとしきりゆうかりんの寵愛を受けて、少し落ち着いたゆうかりんの相手をしてあげたよ ハロウィンらしい遊びをしたんだよ
バウムクーヘンとかチュッパチャップスとか、お菓子をもりもり持ってきて、ゆうかりんの持った普通の魔法使いっぽい帽子にどさどさ入れてあげたり
ハロウィンらしくジャコランタンを作ったりね でもカボチャが無いからって白菜をくり抜くのはやっぱりちょっと違うものだと思わされてしまったけどね
仮装状態の俺の首輪を引いたまま他の人の家を訪ねてみたりね いやね、奇怪な文様を施された上に趣味の悪い服を着させられた俺と、首輪から伸びた
鎖を引きながら「トリックオアお菓ー子?」って聞いてくるゆうかりんの相手をしなくちゃいけないアリスさんも大変だったと思うよ もう突っ込まれずに
適当な食べ物渡されて「戯れなら年明けにでもやって頂戴」って言われて返されたのはしょうがないと思うよ 来年はちゃんとやるから!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふ


14 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/14
ゆうかりんに心配されたい
ゆうかりんに無駄な心配をされたい
お腹が痛くて動けなくなるのはとても怖い 「あれおかしいな俺どうしちゃったんだろ」とかそういう漫画の最初の展開みたいな事言ってる暇は無いよ
妙にサカったような荒い息を吐きながら地面にゴロンっと横たわるしかないんだよね 嫌な汗が顔中からぶわっと吹き出してくるのは気持ち悪い瞬間さ
お仕事中に店先で倒れた俺に、花屋のおかみさんが名前を呼んで、道行く人たちが寄ってきて・・・で、そこからはちょっと良く覚えていないんだよね
今見えるのは見慣れた天井さ この天井が見えるということはここは我が家の寝室で、そしていつも寝ているベッドの上だということがわかるね
そしてね、赤いチェック柄の背中が見えるんだ 俺が身体をよじったので気付いたみたいで、振り返るようにして「あ、起きた」なんて言うの
ゆうかりんがベッドの端に座ってたんだ 「もっと寝てていいのよ」なんて言って、また向こうを向いてしまう 上半身だけ起こして辺りを探ると
ベッドのへりのところにポカリスエットのペットボトルと、体温計と、タオルの浸かった洗面器なんかが置いてあるんだよ だいたい状況は理解したよ
ゆうかりんがもう一回こっちを向くんだよ 「寝てていいって言ってるでしょ、どうせ寝不足なんだから寝てなさい」なんて言ってね、俺の肩を押さえつけて
もう一回ベッドに倒しちゃうんだ ゆうかりんの力は俺じゃあとても敵わないくらい強いから、言われるまま従うままになって、また枕に頭をつけるんだよ
そのままゆうかりんはむこうを剥いて背中を見せて、俺は天井を見続けるだけ そのまましばらくは時計がカチカチと音を立てるのを聞いていたよ
「ゆうかりんが運んでくれたの?」ってね、焦げて切れたような弱い俺が聞くんだよ ゆうかりんはこっちを向いてくれないけど、座ったまんまでぽつりと
「私のモノなんだから私がどうしようと勝手でしょ」なんて言うんだ その後、座ったまま軽く足をぱたぱたとさせるの 横目で時計を見てみると、
まだおやつの時間を回ってちょっとしか経ってないみたいなの 「ゆうかりん、すぐ飛んできてくれたんだ」って俺が言ったらまた足をぱたぱたさせて
「何かそんな気がしただけよ」って言うんだよ ふーと溜め息を吐くと結構長く長く伸びてさ、寝室の上の方にすうっと登って行くようだったよ
気分も一緒にすうっとしたけど心の真ん中だけは重くなるよ 自分の情けなさにはほとほと愛想をつかしてしまいそう 急に身体を壊したりして、
そのせいでいつもゆうかりんに心配かけてしまうんだ 情けないというか、悔しいというか、単純に嫌なんだけど自分では案外どうにもならなくてね
反省の上に反省を折りたたんで重ねて、それをそっと箪笥の奥にしまうしかないんだよ 布団の中で横を向いて、ゆうかりんの背中を見つめながら
「迷惑ばっかりかけてごめんね」って言うんだよ そしたらさ、ゆうかりん、こっちを振り返って俺の頭をガッと掴むのさ 熱が出ているのか、ぼーっとする頭を
いきなりベアクローされてなんとも言えない気分になるよ そして間を置かずにゆうかりんの怒号さ 「ほんと迷惑なのよ!いい加減にしたらどうなの!」ってね
迷惑ばかりかけられる身にもなってみろってさ 俺に倒れられたりすると本当に迷惑なんだって 目の届かない所でぽっくり逝かれても困るから
働かないでずっと何もしないで自分の傍にいてくれた方がマシだってさ ゆうかりんがそう言って、俺の頭に、こめかみにかかった指にギリギリと力を込める
そしてそのまま、俺をまた仰向けの状態に無理やり戻して、顔もすっぽり覆っちゃうくらいに布団を被せてくるんだ 布団の上からばふばふと叩かれて
「あなたは私のモノなんだから、もう少ししっかりしなさい」なんて言われてね もう、ゆうかりんの想いに色々なものを打たれて俺は何とも返せないよ
ただただ申し訳なく、そしてただただ嬉しくて、俺は誰よりも幸せ者なんじゃないかっていう子供じみた幻想を抱いてね、少しだけ、布団の中で温かくなるのさ
「ちなみに薬師は呼んであるから、もう少しで着くはず」と言われて少し身構える 竹林のじゃないよね?あの人の薬苦いから嫌いなの!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふふふふふ


15 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/15
ゆうかりんに甘やかされたい
ゆうかりんお姉ちゃんに甘やかされたい
今日のゆうかりんはお姉ちゃんなんだって、俺は弟なんだってさ 「弟なんだから一杯甘えていいのよ。でも甘え過ぎは駄目」だとかなんとか
ごきげんではあるもののどっちつかずな事を言ってるのは先日に白と黒の普通の魔法使いさんが遊びに来た時にこんなことを言い出したからだよ
「○○(俺の名前)ってそんなに年上がシュミなのか?」ってね いきなりそんな事を言われてとりあえず一通りむせてゲフンゲフンしてみたりしたよ
ゆうかりんは軽くほほ笑みながら俺を小突くんだ 「だってお前、姉さん女房にも程があると思うぜ?」だとかなんとか 姉さん女房という単語を聞いて
すっかりやる気になったのが本日こちらにいらっしゃるゆうかりんでございます 「そっかー姉さん女房かー」なんて言ってニコニコしてたかと思ったら
「お姉ちゃんらしい事の一つもしてやれなくて悪かったわね?」とか言いながら俺の頭をぽふぽふと叩いたりするんだよ その言葉気に入ったの?って
聞いてみたんだけどそこには何も返事は無くてね、ただただ何だかご機嫌そうに頭をぽふぽふされるだけだったの で、今日になって起きた時に
「今日から私はお姉ちゃんになってあげるからね」ってね、堂々の姉宣言だよ そしてからはずっとこんな様子、誰に入れ知恵されたのかはわからないけど
「弟は姉の所有物」みたいな読み進め易いハーレム漫画の設定みたいな感じでさっきから俺を傍に置いて、抱きしめて離してくれないんだよね
そもそも「姉さん女房」って妻が年上っていうだけの意味を持つただの言葉なんだけどね、そう突っ込むのはなんだか野暮な気がしてしょうがないの
いつもは俺がゆうかりんを膝の上に乗せてあげる側なんだけどさ、今日ばっかりはゆうかりんが俺のことを膝の上に乗せるって言ってきかなくてさ
実際にやられると恥ずかしいんだよね 普通に座るよりも目線は高くなってさ、下とか後ろとかは柔らかいゆうかりんに包まれてるみたいでさ、
俺は今までこんなに恥ずかしい事をゆうかりんに強要していたのかと思わされたよ 他にもね、弟だからっていう最強の理由でいっぱい構ってくれるんだ
わざわざ冷蔵庫からプリンを出してきて「あーん」ってしてくれたり、些細な事でもめっちゃ褒めてくれたり、暇を持て余して耳掃除してくれたりね
前二つはまんざらでもない気がしたけど耳掃除だけは正直糞ゲーだと思ったよ 「ないから!耳垢ないから!」って言ってるのにゆうかりんったら
無理やり俺の穴に棒を突っ込みにくるんだもんね しかも加減しないで、欲望のままに身を任せてだよ 冷や汗が額をハーフマラソンしていったよホント
でね、ゆうかりん思ったより飽きないの ずーっと続けてる、お姉ちゃんごっこ 「姉はいつも弟の事を気に掛けるものでしょ」とかまた超理論を言って
俺の身体にべたべた触れるんだよ たぶんゆうかりんがこう思っているだけで世間一杯の姉弟というのはこんなに仲良くないと思うんだけどね
それをゆうかりんに遠回しに言ってやったら、何故だか急にしゅんとした顔になるんだ どうしたのかと思ったらね、目を細めて切なそうに呟くの
「だって私、そういうのわからないもの。兄弟とか家族とか、全部知らない話よ。悪い?」ってね 悲しそうな顔のまま、口だけむっとして俺を見るの
俺にはその言葉がやたら重く伝わったよ ゆうかりんはゆうかりんなりにお姉ちゃんをやろうとしてたんだなぁってね、イメージ上のお姉ちゃんをね
憧れに近かったのかもしれないよ ほとんどの妖怪は家族を持たずに一人で幻想郷に生を受けるとゆうかりん本人から聞かされたことがある
でもゆうかりん、家族を知らないとは言わせないよ そしたら俺の存在価値が無くなっちゃうじゃないか ゆうかりんと俺は一番近い家族じゃないか
兄弟姉妹なんて、きっと育ててみたら嫌になるほどわかると思うよ だから今だけはゆうかりんをぐっと抱きしめて、「お姉ちゃん」と呼んであげたりするんだ
「駄目なお姉ちゃんでごめんね?」なんて言ってくるゆうかりんの柔らかさを身体で感じるよ 駄目なもんか、お姉ちゃんはお姉ちゃんだよ!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふふ


16 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/16
ゆうかりんと作りたい
ゆうかりんと愛の結晶を作りたい
ぼーっと窓の外を眺めてるのは俺だけじゃないよ ゆうかりんも同じように、俺にもたれかかるようにして座りながら、同じ方向をぼんやり眺めてるんだ
庭の土には霜が降りて、踏むとさくさくと音を立てるくらいになった その音がなんだかやたらと寒さをあおるようで、爽快なのにいやらしいんだよね
「今日も寒いね」なんて言うと、隣りから気の抜けた声で「そうね、嫌になるわ」なんて帰ってくるんだ ほっぺをぷくぷくと深海魚の浮き袋みたいに膨らませて
寒空に敵対意識を剥き出しにするゆうかりん 冬が始まって間もないのに、二人の間で毎日のようにかわされる会話と言えば、春はまだかとか、
春が待ち遠しいだとか、春になったらこういうことをしようだとか、そんなのばっかりだったよ 時折りゆうかりんが俺の腕をぎゅっとしてくるから
それに応えて俺もぐっとゆうかりんの方に身体を寄せてやったりするんだ 時間の過ごし方というか、暇の潰し方というか、いつもの過ごし方だよ
不意にゆうかりんがこんなことを言うんだ 「あなたは何から生まれたの?」ってね そう言いながらゆうかりんは俺の手の甲に軽く爪を立てるんだ
カリっと軽く引っ掻きながら、俺の始まりを聞いてくる 漠然とした質問だったから「どういうこと?」って聞き返しちゃったよ ゆうかりんは当然と言った顔で
「お花だって、種が芽を出しそれが伸びて初めて咲くものでしょう」なんて遠回りな言い方をしてくるんだ ますますわからないって言ったら怒られるかな
俺は少し考えたフリをして、その後「人間の父親と母親から産まれたんだと思う」って答える こんな言い方なのは、自分が自分のルーツを知らないから
確かに俺は産まれた存在であるはずなのに、そこらへんの記憶は勝手に奪われてしまった まあ、あっても200年も生きたら忘れると思うけどね
ゆうかりんが俺の手の甲に立てた爪が痛い、グリグリとしてくるので手をぱっぱってやって払って止めさせるよ 「もっと具体的に」ってゆうかりんが言う
今度は「えっと、お母さんのお腹の中からこう、ね」なんて身振り手振りを交えて説明してみるよ 定番の「おしべとめしべの喩え」はまだ使わない
まだ、ゆうかりんが何を言おうとしているのかわからなかった ゆうかりんはそんな俺の様子を見て、軽く息をふぅと吐いて、更に質問を重ねるんだ
「本当にそうなの?あなたは本当に人間の母親の腹から出てきたの?そう思う?」ってね 少し語気が上がっていて俺は気押されてしまいそうさ
いや、ね、ゆうかりん何を言っているんだ、と シッポのところを狐につままれている俺を更に化かせて楽しもうとしているわけではないとは思うけど
よく意味がわからないよ こんなこと言われたらみんな俺と同じような気分になるはずさ ゆうかりんは少し黙った後、俺から目を離して、また窓の外の、
冬の景色を眺めるんだ 「花はいつか枯れる、種から芽が出て、花が咲いて、また枯れる。当然のことのはずなのに、私にはそれがよくわからないの」
ぽつりとゆうかりんからこぼれた言葉には、なんとなく重みがあったよ ゆうかりんの横顔をじっと見つめて、その言葉を耳で優しく拾い上げてあげるんだ
「種はどこから来たのかしら。そもそもこの世界はいつから始まったのか。そして私も、いつから私なのか。わかってたまるか、とも思うけどね」
今度は申し訳なさそうに笑ってみせるゆうかりん 今度はなんとなくわかるよ、俺も時々、君とこれから歩むべき未来を想像してそんな気分になったりするんだ
不安なんだね、言い様の無い不安という悪魔に背中をツンツンされているんだ あいつは本当に困りものさ、見えざるものに目を向けようとするんだよね
ちょっと動いて、ゆうかりんの後ろに回る そのままゆうかりんの腰に手を回して、ぐっとこっちに引っ張ってやる ゆうかりんと俺の身体がくっつくよ
「なれるのかなあ、私、お母さんに」 ゆうかりん、そんなに泣きそうな顔をしないでくれよ なれるに決まってるじゃないか、俺だって父親になるんだから
耳元でそっと囁いて、そのままゆうかりんと身体をくっつける 見られていたはずの冬の空が今度は俺とゆうかりんを見ていてくれるんだ ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふふ


17 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/17
ゆうかりんと飾りたい
ゆうかりんと飾りつけたい
二人で人里までおゆはんの材料を買いに行くよ 手をぎゅっと絡ませて、腕もぎゅっと絡ませて少しだけよろよろしながら魔法の森を歩いていくんだ
本当は身体全体で絡みあいたいんだけどそうすると歩けなっちゃうからね、しょうがなくこの程度でとどめておいてあげてるんだよ 最大限の譲歩さ
歩いてる時にゆうかりんがしきりに「ケーキを作ろう」って言ってくるの 俺と一緒にケーキ作りたいんだってさ、何に目覚めたのかと思っていたけど
よくよく考えたらクリスマスが近づいてきているって事だったんだね 季節の行事というやつは気を抜くとすぐに忘れてしまいそうになるのは俺だけかな
今年のクリスマスもいつもと変わらないはずだよ クリスマスツリーを用意して、ぴかぴかする飾りなんかをつけちゃって、部屋をあったかくして
二人でいつも以上に仲良くして過ごすのさ ゆうかりんが俺に向かってクラッカーを発射しさえしなければとても平和に楽しく過ごせるはずなんだよね
張り切ってご馳走なんてこさえてみたり、ゆうかりんに内緒でプレゼントを買ってみたり、ワクワク要素は一向に絶えることはないよ いいイベントだね
「ね、だからケーキ作ろう?今年は丸太のケーキがいい」なんて言って、繋いだ手をぶんぶんと振ってくるゆうかりん そのまま飛んでいきそうな自分の身体を
ぐっとおさえて「じゃあ材料も準備しなきゃね」なんて返すよ ビュッシュ・ド・ノエルだったっけかな、丸太のケーキ いつもは俺の好み優先で
チーズケーキばっかりだったからたまにはいいかもね なんとなく楽しみになってきて、俺も手を大きくぶんぶんぶんってやって応えてやるんだ
人里につくと意外な人に遭遇だよ アリスさん露店で何やってるの?って感じかな いやまあアリスさんとはよく合うから意外ではないんだけども
まさか商売を始めたとは思ってなかったよ 俺とゆうかりんに気付くと彼女はにこりと笑ってくれた 物好きそうなオッサンとか、女の人や子供とかが、
アリスさんの前にたかっている 元気な洟垂れのおガキ様に「金髪のおねーちゃんこれ何ー?」なんて聞かれて淡々と何かを説明しているんだよ
そんな人の中にゆうかりんが入っていく、俺の手を引いたままでね 人ごみをかき分けて見てみると、これは丸かったり細長かったり、赤だったり白だったり、
ちっちゃいクリスマス飾りが並んでいるんだよ 「時期が時期だからこういうの作ったりするのよ」なんて言う、手先の器用さに定評のある魔法使いさん
クリスマスの文化は元々この里には無かったけども、最近では外の世界とか妖怪さんとかの影響で真似っこレベルで祝う人も多いんだとかなんとか
他にもアリスさんが色々説明のような言い訳のような事を言ってくれるんだけど、ゆうかりんは「ふーん」とか「へぇー」とか適当に答えるばっかりで
飾りを物色する手を止めないんだよね 聞こえるように溜め息を吐くアリスさんとそれに苦笑いで返す俺さ 最終的に、「パーティーは豪華な方がいい」という
ゆうかりんの一言でいくつかの購入を決定したよ 一番高かったクリスマスリースはなんとなく感じが良くて気に入ったよ 丸になった真ん中のところに
二人のちっちゃい人形が肩を並べて座っているんだ 片方が男の子で、もう片方が女の子 とてもとても幸せそうに座るその二人は、どことなく
俺とゆうかりんに似ているような気がしていいなーって思ったのさ 何か知ったような口ぶりで「お目が高いことで」なんて言ってくるアリスさんに
しっかり料金を手渡すんだ 本人、お金が欲しくてモノ売ってるわけではないらしいけどね 思いがけない場所での思いがけないモノとの出会いに
ゆうかりんは「いい買い物をした」なんて言ってむふーっと鼻息を荒げるんだよ 早速家に帰って玄関に飾るって言って、また俺の手を引くんだよ
何よりも明るい笑顔を見せながら「クリスマスが楽しみになってきたわね」なんて言うゆうかりん、繋いでる手が一際温かいようなそんな気になるんだ
でもゆうかりんちょっと待ってよおゆはんの買い物に来たって俺言ったよね? このままじゃポテトサラダしか作れなくなっちゃうよ!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふ


18 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/18
ゆうかりんに意地悪されたい
意地悪なゆうかりんに意地悪されたい
寒い外から帰ってくるとさ、温かい家の中との温度差で鼻水がずずーって出てきちゃうよね あとラーメン食べる時とかも鼻水出るよね、あれ困るよね
鼻水って基本的に汚いイメージがあるよね 唯一綺麗で付加価値付きまくりの場合ってのはゆうかりんの鼻から出た場合だけだよ 他は認めない
とりあえず俺は鼻をかむよ 鼻かんだ後に「あーーーチクショウ」とか言ったりするとゆうかりんに「何今の、おじさんみたい」なんて言われて凹んだりするよ
でね、今もね、するするって鼻水が出てきたから鼻をかもうと思ってさ、炬燵の上に置いてあるティッシュの箱を手で探したんだけども見つけられないの
いくら手で探ってもみかんの入ったカゴがあるばっかりさ で、別のものに触れたかと思うとどうやらゆうかりんの手らしくて、小さい声で「きゃっ」とか言われて
なんとなく謝っちゃったりするんだよね その時にゆうかりんの方を見るんだけどさ、ゆうかりん、どうしてもう片方の手でティッシュの箱抱えてるの?
そんなに大切そうにティッシュの箱を抱き抱えなくてもいいじゃないか、そして妙にニヤニヤしなくてもいいじゃないか、と思うんだよね
「何か探してるの?」なんて言わなくても鼻からノエキアンデリュージュしそうな様子を見てくれれば伝わると思ったんだけどこれは俺が甘かったのかな
「は、はな」って言ったら「冬だから咲きません」なんて返されちゃうの 冬に咲く花もあるってのに門前払いと言わんばかりに返されちゃうの
何がおかしいのかくすくすと笑われてね、「ほら、鼻がタレてきてるわよ。子供じゃないんだからもう」なんて言われるんだよ いや鼻をかみたいんだけど
どこかの誰かさんに阻止されてるんだけどね 突っ込みたくても突っ込めないこの状況をなんとかした方がいいよ 鼻を必死ですすりつつ、
ゆうかりんの方に手を伸ばす なのにゆうかりんはひらりひらりと身をかわすんだ それだけグレイズできればノーコンルナクリアも余裕だろってくらいね
俺が困ってるのを見て楽しんでませんかって言ったら肯定の意を表されてなんというか、まったくもう 「だって面白いんだもの」って言われてしまうと
なんとも返せなくなっちゃうよ 最終的に限界が来たからゆうかりんに飛びついてね、無理やりティッシュの箱を引き剥がして鼻をかんでやった
かめば一件落着だよ ゆうかりん、そんなつまんない事しないの、って言ったら「つまんなくないわよ。少なくとも私にとっては」だなんて言われる
ゆうかりんに遊ばれてしまう時が多いよ、どっちかっていうとゆうかりんで遊んでやりたいと思う方なんだけどね 全く自分の立場が不安になるよね
口頭でちょっと厳しめに言ってやったよ、流石にこういう困る意地悪はやめなさい、ってね そしたらゆうかりん、今度は急に顔を曇らせてね、
「私よりこんな紙の方が好きなの?」とか言い出すの 「酷いわ、私はあなたを何よりも愛しているのに」とか言いながら泣くマネなんてしてさ、
また俺の反応を見て遊び始めるんだよ もう、今日のゆうかりんは人一倍悪戯好きだね ゆうかりんに振り回されるのも楽ってわけじゃないんだけどね
へらへら笑いながら「虐めただけよ、今は日課じゃないけどね」なんて言うゆうかりん 昔は所構わず目に入ったものを好きなように虐めまくっていた
そんなやんちゃな時期もあったゆうかりんだけど、今は少しだけ考え方を変えたって言ってるんだ 「好きな女の子にイジワルしたくなっちゃう時って
思春期の男の子ならあると思うの。ああいうのってすごく可愛らしいと思うの」とかなんとか、つまり「愛しいもの虐め」という単語ですべて収まるかな?
ゆうかりんの虐める対象が完全に俺に向いてしまったみたいだね ゆうかりんに虐められ続ける日々が続くと思うと山より高く海より深い溜め息が出るよ
本当は俺はゆうかりんを虐める側になりたいんだよね だって可愛い女の子は虐めたくなるじゃん当然じゃないか、それにゆうかりんが一番好きだから
好きなものも虐めたくなるのは当然だよ お互いに虐めたり虐められたりして一風変わった関係のまま過ごしていくのも悪くない、かな?ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふ


19 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/19
ゆうかりんに着せたい
ゆうかりんにセーターを着せたい
たてセタってあるじゃん 縦にラインが入るリブ編みのセーターを一般ではこう呼ぶみたいだよ 大抵の場合タートルネックだったりするんだよね
あれって凄くいいと思うよ、あんなにも「脱がないエロス」というものを力強く推し進めるコスチュームというものもなかなか存在しないと思うんだよ
夏が水着と浴衣のタッグコンビネーションで攻めてくるとしたらこっちはたてセタの一大巨頭の一撃のダメージで相手の陣営を突き崩す感じかな
まあでも子供っぽいダッフルコートとかもあれはあれで可愛らしいと思うんだけど あ、全部ゆうかりんに着せた際のイメージで語ってるからそこ注意ね
で、そのたてセタなんだけど 俺の目の前にあります 茶色くて毛糸の太いやつ、そして同時にゆうかりんの目の前にもあるよ 俺とゆうかりんの間に
たてセタがくたっとなって鎮座しておられるんだ 「これ、なに?」ってゆうかりんが聞いてくるよ 目を細めて、いかにも「面倒くさいです」って表情でね
何かと言われてもたてセタとしか答えられないんだよね たてセタはたてセタであって「縦リブ編みのセーター」ではないんだよね、ここが拘りというやつさ
「そうじゃなくてね」 ゆうかりんがガッと俺の頭に手をかけてくるんだ こめかみを掴まれてギリギリと力を加えられるんだよ 頭蓋骨はヤワじゃないけど
ダイヤモンドジョズくらい頼れる存在かといわれると案外そうでもないからね、お願いだからその手を離してと言いたいよね 頭とか目とかにぐーっと力を
加えると何もない空間に変な幻影みたいなのが見えるんだよね これ絶対にデンジャーなラインを超えたサインだから是非とも止めてほしいところ
なんとかやめさせることには成功したけどゆうかりんの疑問は尽きないみたい 「そうじゃなくて、どうして当然のようにこれを渡してくるのよ」だなんて
ぶすっとした顔で俺に言うよ わからないかな、俺がゆうかりんにたてセタを手渡したということはつまり、ゆうかりんに着て欲しいということなんだけど
あっもしかしてゆうかりんは鈍感ちゃんなのかな それとも「口で言わないと伝わらない事もありますよ」的なスタンスで責めるつもりなのかしら
というわけで俺は想いを込めてゆうかりんに言葉を届けるよ 「これ着て!」「却下」 一秒もかからずに否定されるとただただ単純に悲しいものだね
タートルネックのセーターは首とか顎とかがサワサワするから嫌だというゆうかりん どっちかっていうと綿っぽい服の方がお好きみたいだからなあ
だからと言って俺の欲求は収まるわけじゃないんだよ ゆうかりんがたてセタを着てくれなかったら俺はどうすればいいんだ 当然の事なんだけども
ゆうかりんがたてセタを着てくれないと「たてセタ姿のゆうかりん」というものは見られなくなってしまうんだよね このままじゃ収まりがつかないんだよな
こういう時に本気を発揮できるのが本当の男さ 俺の真の姿というものを見せつけてくれよう ゆうかりんの前で、ちょっとだけ身を屈めるようにして、
「ゆうかりんに着てもらうために買ってきたんだから」「絶対似合うと思うんだけど」「着てくれないと嫌いになっちゃうかも」という口撃の始まりさ
もうゴリ押しどころか脅しに片足突っ込む感じだよね でも悪いとは思わないよ、かの偉くエロい人も「裏切りではないこれは知略だ」って言ってたし
当然の行為だと思うよ ゆうかりんは最初むすっとしてたんだけどだんだんと氷が解けるように表情が緩んできてね、最終的には困った顔になって
「わかったわかった、一回だけだからね」なんて言うんだよ 絶対似合うって言い続けたのが効いたっぽい この瞬間に俺は勝者となったわけさ
今着ている室内着の上を脱いで、もそもそと縦セタに袖を通すゆうかりんと、傍らで美酒を味わうかの如くゆうかりんを堪能する俺 そして現れたのは
身体のラインがはっきりクッキリと浮かび上がってどうにもこうにも欲望を持て余しちゃうゆうかりん ちょっとサイズが大きかったみたいで袖が余っていて
それもまた非常に俺に良し 辛抱たまらなくなって思い切り正面から抱きついてやったよ 冬って素晴らしいよね、たてセタは重要文化財!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふ


20 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/20
ゆうかりんとお茶したい
ゆうかりんとまったりお茶したい
今日はレティさんが遊びに来たよ もうすっかり幻想郷も寒気に包まれてしまったもんね、レティさんは元気になって、それ以外の生き物は大人しくなるよ
「寒いから外に出たくない」を合言葉にここ最近はずっと室内デートという名目の引きこもりを続けている俺とゆうかりん 基本的には炬燵の魔力に
全く抗うことができずに閉じ込められちゃってる感じなんだよね ゆうかりんも俺もウダウダしながらごろりごろりと転がって、隣にワクワクさんがいたら
ハサミとノリを使う仕事をさせられちゃってるだろってくらいのダラけ具合だよ お茶菓子があったら二人でつまんだりしてね ゆうかりんの開いた口に
俺がぬれおかきを摘まんで食べさせてあげたりとか、お返しに柿ピーのピーナッツ部分だけ食べさせてもらったりとか だらだらと過ごしているんだよ
そんな時に玄関じゃないところからレティさんが「はーい」とか言って入ってくるんだよね 勝手知ったる人の家ってスラングを地で行くような感じさ
「遊びに来ちゃったけど、お邪魔だったかしら?」なんていつも同じような言い回しをするレティさん 「来る前に聞きたい台詞ね」なんて言って
俺もゆうかりんも重い上半身を起こすよ 俺は炬燵から抜けて、お客様のためにお茶なんかを準備しようとするんだよ ゆうかりんは自分の向かいを
顎でしゃくって示してそこにレティさんを入れさせるんだよ 「わーあったかーい」「でしょー」なんて子供みたいな会話をする二人を生暖かく見守りながら
少しだけ生姜風味を加えたミルクティーなんかを用意してみたりね 生姜紅茶の類は露骨に身体が温まるから素敵だよね、冬には持って来いさ
そしてバウムクーヘンなんかもちょっと切ってお皿に乗せて一緒に運んだりするの 基本的に誰が遊びに来てもお茶を飲むだけなんだよね
どこの家でもそんなものだと思うけどね 遊びに来るとは言っても結局はだらだらしてるんだよね みんな冬はだらだら星人になっちゃうものなのさ
「それにしても」ってゆうかりんが前置きするよ もう既にバウムクーヘンを食べ終えてしまって、炬燵の天板の上のみかんを弄りながら言うの
「貴女って冬を象徴するような妖怪なのに炬燵には入るのね、熱くないの?」だってさ コロコロっとみかんを転がして、俺の方に寄越しながらね
確かに気になる部分ではあるね 暖かいのが苦手だから春から秋にかけてずっと寝てるんだよねレティさんは でも今はこうやって俺とゆうかりんの前で
炬燵に足を突っ込んで、一緒に熱めの紅茶なんかを啜っている レティさん、少し困ったような顔をしながら頬をかいて「よく言われるなぁ、それ」って
呟くんだよ 結論から言ってしまうと全然大丈夫らしい、確かに寒さに強いけどもそれはそれ、これはこれで、弱点になる程では無いんだってさ
「別に私の身体全部が冷たいもので出来てるわけじゃないのよ?」なんて言って笑いかける ゆうかりんは納得したのか、逆に納得いかないのか、
「ふーん」だなんて適当な相槌を打ったりしてるんだ でさ、ここで俺が話に乗って「レティさん、身体は温かいもんね」なんて言ってしまったのがさ、
全然気付かなかったんだけどゆうかりんのいけないスイッチを押し込んじゃったみたいなんだよね レティさんは「そうね」とか言ってまた紅茶をひと啜り、
ニコニコ笑ってくれたんだけど反対にゆうかりんは何故だか「感情を必死に押し殺した笑顔」を俺に向けてくれてね どうしたのかなと思ったら
ゆっくりと「なんで『他の女の身体の温かさ』をあなたが知ってるのかしら・・・?」なんてね、教えてくれるんだよ 俺の発言のいけないポイントをね
しまったと思ったよ こうなってしまってはどんな言い訳をしてもゆうかりんの額に浮かんだ青筋は消えてくれないだろうし 俺が痛い思いをするハメになるのは
確定事項みたいなものだからね レティさんも「なんでだろうねー?」なんて言って悪戯に俺に抱き着いてくるのは止めて欲しいんだ ああもう身体が温かいよ
日が暮れるまで「誤解だって」「誤解じゃないでしょ」ってやり取りをしたよ ああもう面倒くさい、レティさんには毎度困らされてしまうよ!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふ


21 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/21
ゆうかりんを求めたい
ゆうかりんと求め合いたい
覆い被さって、求め合ってる部分でお互いを貪るようにして、一番奥の所に吐き出すよ 6秒間のエンペラータイムを終えてもまだ身体をくっつけ合って
呼吸が元の調子に戻るまでお互いの体温を感じ合っていたよ 日陰にずっと放置したみたいにすっかりしなびたソレをゆうかりんから引き抜いて、
ごろりと横に寝転がる そのまま何を言うわけでもなくゆうかりんとぼーっとしてたんだよ 暗闇に慣れた目で天井を見上げると、いつもと同じように
特に飾り気のない寝室の電灯がぶら下がってるだけだった 横に手を伸ばしてゆうかりんの髪とか肩とかに触れてみようかなあとも思ったんだけども
もう一度考え直すと今度はそんな気になれなくて、俺はベッドの上で横を向くんだよ ゆうかりんに背中を向けて、少しだけ身体を丸まるようにしたの
そしてまた二人の間に漂う時間を無駄に使ってみたんだよ その時に、不意に手が伸びてくるんだよ 背中の方から、ゆっくりと細い手が伸びてきた
ゆうかりんの手がやってきて俺の身体をぐうっと自分の方に引き寄せるんだよ またゆうかりんの身体と俺の身体が密着するよ 汗と汗が混じり合う
「あなた、何かあった?」って、簡単な言葉でゆうかりんが訪ねてくるんだ いつもの声の調子でね 何を言ってるんだかわからない、と返すのも
それすらなんだか野暮な気がして俺はずっと黙ってたよ そしたらゆうかりんは勝手に続ける 「私が気付かないとでも思ってるの?舐められたものね」
ってね、自分には全てお見通しだと言いたいらしい 自分が単純回路で動いているからなのか、それともやはり長年一緒に過ごした間柄だからなのか、
ゆうかりんには手玉に取るように俺のことがわかってしまう瞬間があるんだと 「夫婦間で隠し事はナシだからね」なんて言って、また身体を寄せ付けて
自己主張してくるゆうかりんにはやっぱり敵わないね もぞもぞと身体を動かして、向きを180度変えてみるよ ゆうかりんの顔が真正面に来て、
なんだかやっぱり悪い気分にはなれないんだ 暗い室内でもゆうかりんが笑顔を作ってくれているのがわかる お互いの呼吸が軽く交差するみたいだよ
自分が持っているこの不安をゆうかりんは簡単に溶かしてくれるんじゃないだろうか、っていう淡い期待 ぽつぽつとちょっとずつ口に出してみるよ
俺はね、このままでいるのが怖いんだ このままずっとゆうかりんと二人で過ごしていくのがなんだか怖いんだよ それはもちろん俺の望むところで、
俺の一番の幸せなんだけども、だからそれが怖いんだよ このままでいいのか、変わらないといけないんじゃないのか、っていう無機質な問いが
時々背後から俺のことを脅かしてくるんだよ そういう声を聴き続けていると、本当は変わらないといけないんじゃないかって気になってしまうんだよ
ゆうかりんを一人置いて全力で前に走り出さないと足を焼かれてしまうような、ね うん、自分でもワケがわからないんだ ただただ今この瞬間が怖い
降り始めの雨みたいに言っていただけなんだけど、最後の方には俺の言葉は洪水になってね、容赦無くゆうかりんに襲い掛かってしまったの
でもゆうかりんは何ともないふうな顔をして、「なんだ、そんなこと?あなたって本当に下らない事で悩むのね」とかなんとか笑い飛ばしてくれちゃってね、
「そんなに焦る必要はないわ。時間はたくさんあるんだから、考え込むのは後でもいいと思うのだけど?」ってね ゆうかりんらしい言い方だよ そのまま
俺を正面から、ぎゅーって抱きしめてくれてね、子供をあやすみたいにしてくれるんだ こういう時に思うのが、パートナーがゆうかりんで本当に良かったって事
俺はこのゆうかりんの温かさに弱いんだ、すごくね 俺を黙らせる一撃必殺の優しさだよ もう俺はどうでもよくなって、ゆうかりんに溶けていくだけだよ
後日ゆうかりんにまたそういう話をしてみた ゆうかりんは言うことには、「あなたの悩みって筒抜けなのよ。逆に面白味が無いくらい」だとかなんとか
「あなた、何かあると子供みたいになっちゃうんだから」なんて言って、やっぱり笑う つられて俺も適当に笑ってみたりするんだ!敵わないよ!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふ


22 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/22
ゆうかりんと歩きたい
ゆうかりんと冬の世界を歩きたい
冬でもやっぱりやる事はやるよ いや別にそういう意味じゃなくてね でもやる事はやってるよ ゆうかりんが求めてくるから仕方ないじゃないか、ね
まあそれは置いといてね、今日もまた二人で散歩に出かけるよ 寒い時期は流石にペースが落ちるけども二人の日課みたいなものだからねお散歩は
やらないとなんだかイライラムラムラするんだよね なんだか飼い犬みたいでホント単純だよね お散歩というか、ゆうかりんがこの行動を定義するには
「幻想郷の花々を眺めつつあなたとの距離を縮められる遊び」ということらしいの そんなふうに言って「どうよ」みたいな顔をして鼻息を荒くするんだ
したり顔のゆうかりんもなんだか馬鹿の子みたいで可愛いね それにゆうかりん、前に幻想郷の植物はもうほとんど見尽くしたとかなんとか言ってたし
それに俺との距離なんてもう縮めるのが難しい程に縮まっちゃってると思うんだよ 現に俺はゆうかりんの事を誰よりも近くにいる存在だと思ってるよ
手を伸ばせば触れられるし力を込めれば抱きしめられる存在だと思ってるの だからゆうかりんの、その変な言い回しはどことなく的外れな感じだよね
クスッと笑ったりすると今度は顔を赤くして「笑うな!」って言われちゃうんだけどね まあそんなわけで、今日も今日とて二人で幻想郷をねり歩くよ
適当に作ったAAみたいなもこもこでテカテカのダウンジャケットなんか着た俺と、いつもの赤いチェックで仕立てられた長いコートに身を包むゆうかりん
ちょっと高低差はあるものの、長い長いマフラーを端っこずつで一緒に巻いて、二人で繋がったまま歩くのさ でさ、ここは手も繋いで歩きたいよね
でも手袋の上から握り合ってもなんとなく実感がわかないし、かといってこの季節の中で素手のまま繋ぐのは流石にちょっと無理がある感じなんだよ
これは俺とゆうかりんの永遠の課題だったよ どうするのが得なのかって思ってね、もう二人とも「冬だから悪いんだ、レティさん土下座しろ」みたいな
そういう意見だけ一致してるんだけど、試行錯誤も重ねてみたりするんだよ 去年やったのは「手を繋ぐよりももっといい方法があるんじゃないか」っていう
躍進的な考えだったんだよ お互いに冬用装備を施したまま、俺がゆうかりんをおんぶしてあげて一緒に散歩するってモノだったんだけどさ わかると思うけど
俺が疲れるってレベルじゃないからね俺 ゆうかりんが天使の羽くらい軽かったらいいんだけどそうでもないから一苦労さ ゆうかりんは満足そうだったけど
いつだか俺が雪で足を滑らせてすっ転んでね、その時にお互いを繋いでるマフラーがギュッとなって何これ絞首刑?みたいな現象になってしまったから
その日から黒歴史と化したんだよね で、今回やるのはこれさ もう一個マフラーを用意して、素手同士で手を繋いだ俺とゆうかりんの手の上から
ぐるぐると巻きつけるんだよ これで寒くないし、マフラーの下でゆうかりんの手をもみもみぎゅっぎゅってできるようになる 画期的な発明だと思うよ
ゆうかりんも大いに喜んでくれてね、これで冬も怖くない、土下座しっぱなしのレティさんよお顔を上げなさいみたいなテンションになったんだよね
早速今日はそんなことを試してみたんだよね 俺の片手はゆうかりんと繋がって固められて、もう片方は何でも防げる例の日傘をさして雪を避けたりね
誇らしい気分だったよ 今日はどっちに行こうとか話しながら、ゆうかりんが痛いくらいに手をギューってするんだ これはあれだね痛嬉しいってやつだね
でさ、とりあえず魔法の森を歩いてたんだけどさ、珍しい方々に遭遇だよ 子馬間の主さんとその従者さん、雪で日の光が当たらないから日中でも
お散歩できるみたいで、同じように防寒着をもこもこさせながら歩いてたよ ちっこい吸血鬼さんが開口一番に「昨夜、あれは最近の流行なの?」だなんて
俺とゆうかりんのマフラーで繋いだ手を指差して言うんだよ 従者さんは優しく笑って「いいえ、きっと何かの罰ゲームですわ」なんて言ってくれてね
もうこっちはプルプルだよね これホントに温かいし手も繋げるしで便利なのに世の中の奴らはわかってくれない!これは不平等だ!ちくしょう!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふ


23 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/23
ゆうかりんと仲良くしたい
ゆうかりんともっと仲良くしたい
時々、本当に時々だけどゆうかりんと俺の仲良しさの秘訣を聞きたいっていう物好きな人が来るんだよね 大抵はその人も想う人が居たりだとか、
俺と同じように想う人じゃない者が居たりするんだよ でもなんだか時間の魔物に背中の方からじわりじわりと熱を通されてしまって、二人の仲良し度が
ちょっとずつ下がっていってしまったりするんだって で、そういう時にいつまで経ってもお互いにベッタリな俺とゆうかりんの事を思い出したりして、
「何か秘密があるんだろう」っていう、中華料理に対する淡い期待みたいなものを抱っこしたまま聞きにきたりするんだよ まあ別にいいんだけども
そういうのはせめて仕事が終わってからにしてもらいたいね 店番中にそういう事を言われると花屋の奥さんにサボってると勘違いされてしまって
お給料を減らされてしまいかねないからね ゆうかりんと俺が食っていくためにはお給料が必要なんです、そこだけはどうかわかって欲しいところだよね
で、まあ聞かれても答えられるモノじゃないんだよ それはそうだよね、俺とゆうかりんは別に変わったことはしてるつもりはないんだ 当然の連続さ
二人で寝て起きて、遊んだりご飯を食べたりお風呂に入ったりするのも一緒にやってるだけ どこもみんなそうなんじゃないかと思うんだけどどうなんだろう
でもわざわざ俺に聞きに来る人っていうのは何か斜め上方向にロケットで突き抜けるような突拍子も無い答えを期待してるんだよこれが だから物好きなのさ
昔はヤンチャしていたゆうかりんと200年以上も連れ添った物好きな人間だと思われてるからね 言い訳しておくと俺は別に物好きでも何でもないんだよ
物じゃなくてゆうかりんが好き、一番好き やっぱり好きって気持ちが全てだと思うんだ この気持ちは原動力になるんだよ 何でも出来る素晴らしいものさ
そう語った上で、期待を裏切らないためにも「たまには野外露出とかしてみるのもいいんじゃないですかね」とかそんな事を言ってみたりして、相手を喜ばせて
適当に帰ってもらったりもするよ 世の中が、誰かが誰かに向けた愛で満たされればもっと平和になるのに、なんて子供みたいな妄想をしたりするんだ
俺も家に帰ってからゆうかりんに話すよ 今日もまた仕事中に同じような事を聞かれたんだよ、どうやら厄神様のトコはマンネリ化始まったらしいよ、なんてね
ゆうかりんは決まって「ふーん、物好きねぇ」なんて言うの 俺と同じような反応だよ、ここらへん似たもの同士っぷりが現れていて地味に嬉しい気がするよ
寄ってきたゆうかりんを隣に座らせて、俺はゆうかりんの身体にべたべた触るよ 日々の疲れやストレスはゆうかりんで発散する、俺の癒しの瞬間さ
「別に変わったことなんてしてないのにね」ってゆうかりんが言うの 俺は「そうだね」って言ってゆうかりんのほっぺを指でこしょこしょとしてみたりする
二人で「ねー」って言い合うんだ そのままくすぐったり、くすぐられたりするよ 俺がゆうかりんに触れると、ゆうかりんはそれに答えてくれる
ゆうかりんが俺に触れた時は、俺はそれに答えてやるんだ こういう関係が良かったから、きっと俺はゆうかりんとこういう関係になったのかなって思うよ
「愛は途中で冷める事は無いわ」って、ゆうかりんが言い出すんだ 途中でお互いの想いが通じ合わなくなるんだったら、それは元からその程度だっただけで、
愛と愛で本当に通じ合う二人だったらそんなことは無い、ってゆうかりんは言い切るよ 「手厳しいんだね」って俺が言ったらフンと軽く鼻を鳴らして
「だって当然の事だから」って言うよ そうして少しだけ嬉しそうな顔を見せるんだ 「私、あなたに冷めた事なんて一度も無いから」だとかなんとか言って、
今度は俺の胸元に手を置いたりしてくる 俺も同じ気持ちだよ、ゆうかりんに想い続ける気持ちはいつだって一つだよ 反吐が出るほどに純粋で、
逆に向こうを見たくなくなるくらいに透き通っているものさ 本当に「好き」っていうのはこういう気持ちなんだと思うの ああ俺はゆうかりんが好きなんだなぁ
ずっとこうやって過ごしていけたらいいと思う 時間が有限なんだったら、むしろ止まってくれても構わない ずっと一緒にいたいからね!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふ


24 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/24
ゆうかりんと過ごしたい
ゆうかりんとクリスマスイブを過ごしたい
今年こそは七面鳥を焼こうとずっと思っていたんだ、ローストターキーってやつさ あんなのがテーブルにどかっと乗っかっていたりすると
いかにも「クリスマスだぞこの野郎」っていうイメージで凄くいいと思うの でもね、そう考えるのはどこの家庭でも同じみたいでさ、七面鳥を探したけども
どこにも売られてないんだよね この時期は予約をしないと手に入れられないんだってさ 下準備を怠るとロクな事にならないね、反省させられたよ
仕方がないから業務用スーパーで冷凍のブラジル産ナイトバード丸鶏っていうのを買ってきて、晩御飯に間に合うように下拵えをしていたんだ
「あなたー、そろそろ手伝ってー」って外からゆうかりんの声がするんだよ 丸鳥の柔肌にペチペチと塩と香草を叩き込みながら台所の小窓を覗くと
外でゆうかりんがクリスマスツリーと格闘しているんだよ 今年は直前までツリーの準備を忘れていたのがいけなかったね、だから急いでやってるのさ
ゆうかりんの能力の応用で成長を促されて、瞬きする間に幻想郷で一番の立派なツリーに変身したモミの木 今はお庭の真ん中にどっしりと立っている
その周りを防寒着を着こんで首元にマフラーをぐるぐる巻きにしたゆうかりんがちょこちょこと飛び回るのさ 前に買った、ちっちゃくてカラフルで可愛らしい
クリスマスの飾りをいい感じで引っ付けてるんだよ 最初にてっぺんに☆のマークを掲げて、あとは丸いのだの柔らかそうなのだのを引っかけていくの
時々何か気に食わないのか、飾りを外してもう一度付け直したりして唸っている そんなゆうかりんが可愛らしくて、どこか俺に平和というものを感じさせて、
鶏の尻に野菜を詰めるのも忘れてニヨニヨしながら眺めていたんだよ 俺の反応を待っていたゆうかりんはなかなか俺が言わないことにしびれを切らせて
こっちの小窓の方を見るんだ そしたら目を細めて自分の事をべっとりと眺めてる俺が目に入るわけだよね 杖の形の飴を俺の方にぶんっと投げて
「もう!暇なんなら手伝ってって言ってるでしょ!」って言うんだよ ほっぺをぷくっとさせるんだ、うふふ危なかったよもう少し位置が上だったら失明だよこれ
暇では無いんだと断ると、ここぞとばかりに「要領の悪い人ね」とかなんとか言われてしまってがっくりだよ 腫れ上がった頬を少しだけ気遣いながら
鶏の仕込みを終えて、次はポテトサラダでも作ろうと思い、冷蔵庫を開けたり閉めたりするよ 午前中はずっとこんな感じで分業体制を保っていたんだ
料理の準備が満足する頃にゆうかりんによるツリーの飾り付けも満足したみたいでね、一仕事終えたゆうかりんはなんとなくスッキリした顔をしていたんだ
洗ったのにまだ少しオレガノの臭いがする俺の手を引いて庭に行こうとするんだ 慌てて靴を履いて外に出てみると、そこにはどこに出しても恥ずかしくない
立派なクリスマスツリーが立っていたよ 女の子らしい繊細な飾り付け方で彩られたソイツが羨ましくすらあったんだよ ゆうかりんが「どう?」みたいな
イカした顔をしちゃっているので腰をぎゅっと引き寄せて「すごいね」なんて言ってやるんだ 「もう、もっとマシな感想は無いの?」とか言われて
俺の柔らかくないほっぺたに人差し指を突き立てられる ゆうかりんは続けて「この後は好きなヒトと二人っきりでパーティするの、全く幸せよね」だなんて
思わせぶりなことを言って笑って見せるんだよ ゆうかりんは本当に幸せを振りまくのが得意だよね、一番近くにいる俺は否応無しに影響を受けちゃうよ
全くこれだからクリスマスってのは心憎いあんちくしょうだね ゆうかりんを心から楽しませやがるせいで、俺まで心から楽しくなっちゃうってなものだよね
夜の二人きりのパーティはもちろん楽しいものだったよ ただ、クラッカーの先を俺に向けたまま鳴らしちゃうゆうかりんの癖は直ってなかったけどね
「恋人はサンタクロース」だとか「本当はサンタクロース」だとか言っていちいち嬉しそうにするんだ 俺のあげたプレゼント(あるぱかのもふもふぬいぐるみ)も
それなりに喜んでくれたみたいで良かったよ ゆうかりんからのプレゼントは明日くれるらしい、なんだろうすごく楽しみだね!寝られないよ!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふふふ


25 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/25
ゆうかりんと過ごしたい
ゆうかりんとクリスマスを過ごしたい
朝起きると枕元に可愛くラッピングされた箱があるんだよね 気付いて目をギラギラさせていると、その様子に気付いたゆうかりんも目をキラキラさせて
「気付いた?」なんて言うんだよ 二つ返事で許可を求めて、当然あっさりと許されたので箱を開けてみるよ するとその中に入っていたのは
RPGで言うと防具系の装備品なんだよね でもそんなゴッツいものではなくてね、普通に言うと服なんだよ しかもただの服じゃないよ、赤と白で彩られ、
ふかふかした素材で作られたこの日にピッタリな感じ、そうまさにサンタ服だよ 広げてから持ち上げてみると、ちゃんと上下の揃ったサンタ服なの
そしてそれは大きめのサイズでね、ゆうかりん曰く「あなたが着れるように作らせた」とかなんとかね ゆうかりんの身体に合ったサイズのサンタ服は
まさしく昨晩着てもらってベッドの上で楽しんだのだけども自分が着るためのサンタ服っていうのはなんだか不思議な気持ちだね コスプレというよりは
年齢的に考えて「仮装」って言った方がしっくりきそうな感じさ ゆうかりんは俺の手からサンタ服の上を取ると、まだパジャマ姿の俺にぴたっと押し付ける
そのままにっこりと笑って「私だけのサンタさんになって」とか言うのさ もちろんなるとも、俺はゆうかりんのものだし、俺が生きるのはゆうかりんのためだから
当然答えはイエスだよ 早速袖を通してゆうかりんだけのサンタクロースになりきってやろうじゃないか サンタを信じているとか信じていないとかじゃなくて
サンタという存在が好きだと話すゆうかりん 「夢があって素敵じゃない?一年間良い子にしてればご褒美をくれるなんて」とか言ってるんだけども
元従者のエリーさん曰く結構な時期までサンタさんの存在を信じていたっていうんだから子供みたいで可愛いよね サンタ服は俺でも少し大きめで
だぼだぼな感じなんだけど、ゆうかりんに「どう?」って聞いたら「雰囲気出てる」っていう微妙な褒め言葉を頂いたからこれで良しとすることにしよう
正面から抱き着かれて顔を埋めてぎゅーっとされて「今日一日はこのままね」って言われるんだ いいともーって返そうと思ってふと思うんだけども
今日一日中ってことはアレなのかな、予約していたちょっぴり高いフランス料理を食べに行く時もこのまんまなの、それはちょっとイケナイんじゃないかな
そう言ったら一瞬だけゆうかりんの顔がニヤリとするんだ、このプレゼントの意味を垣間見た気がするよ すぐ普通の顔に戻って、少し怒ったふうにして
「着てくれるって言ったのに」なんて言ってゴリ押ししようとするんだ やれやれ、俺には能力以上の何かを求められている気がするよ、困ったものだね
で、時は一気に過ぎて夜の七時 赤毛に猫耳で二つ尾の店員さんが素っ頓狂な声を上げてゆうかりんの横の俺に反応するよ 小声で「えっ呼んでない」とか
言っちゃうのもしょうがないと思うよ 最終的に付け髭まで装備させられて、12月の25日にふさわしい様相になった俺 でも予約はしたわけだからね、
ちゃんと「予約していた風見です」って言ってあらかじめ取っておいた席に案内してもらうよ 店員さんは困ったような顔をするし、他のお客さんはヒソヒソと
こっちを見て話をするしでもう顔まで真っ赤になりそうさ 俺の腕にべったり抱き着くゆうかりんだけすごく楽しそうなの 「ねえ、恥ずかしい?」だなんて
わかりきった事を聞いてくるしね クリスマスだから周りはカップルばっかりでね、そういう人にとっては格好のネタになるみたいでね ヒソヒソ話は大きくなって
俺の心をちくちくと刺激してくるのさ 「ほら、私のサンタさんなんだから、しゃんとしなさい」って言ってゆうかりんはテーブルの向こう側から微笑んでくれるの
そうは言ってもやっぱり羞恥プレイってのは俺には向いてないみたいさ 料理を運んでくる店員さんも笑ってるか顔が引きつってるかの二択だしね
この空間の中でただ一人ゆうかりんだけは満足そうなんだよ 俺が苦労しているのを見て心を満たすとか、なんてまあ素敵な性格してるんだとは思うけど
それでもゆうかりんだったら許せそうな気になるよね だってゆうかりんは可愛いし、ゆうかりんが好きだからね こんなクリスマスも悪くない?ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふ


26 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/26
ゆうかりんと噛みたい
ゆうかりんと齧りたい
イライラすると行動に出ちゃう人ってよくいるよね そんなにイライラするくらいならゲーセンに来なけりゃいいのにって思う時がほとんどなんだけどさ
貧乏揺すりとか結構する人が多いんじゃないかな、ちなみに外国でも貧乏揺すりはマナー違反だと思われる事が多いから止めておいた方がいいね
人ばっかりじゃなくてイライラすると行動に出ちゃう妖怪っていうのも結構いるよ 少なくとも俺の一番近いところで生活している妖怪さんはそうみたいだよ
ゆうかりん、何かあるとすぐ爪を噛むんだよね むっすーっとした顔のままで親指だの人差し指の爪をかりかりがりがりしちゃうんだよ 齧歯類っぽいの
こういう時に「ゆうかりん、はしたないからやめなよ」とか言うんだけどさ イライラしてるというか機嫌が悪い時だから思いっきり反発されるんだよ
「何よ!あなたには関係ないでしょ!」とか言われちゃって、噛んで先っちょがギザギザになった爪でつんつんってされるから痛いんだよねこれが
女の子の日っていう概念が未だによく理解できていない俺はたびたびこんな展開に身を置かれてしまって困ったりするんだよ どうして理解できないかって
俺は明らかにメンズだからね、男の日というかメンズデーというのは毎日訪れるものだからね あとは毎朝あんな感じだよ、まあそれは置いといてだね
うーうーって唸りながら爪をガシガシ噛むゆうかりんを見てるとね、なんだか俺も不安になっちゃうんだ ゆうかりんが子供みたいに爪を噛んで
ボロボロにしちゃうくらい腑に落ちない事でもあったのかと思ってね ゆうかりんの事を考えるあまり俺はビビり屋になっちゃうんだよね、心配なんだよ
ゆうかりんに負担とか不安とかを与えるものがあって、それは俺がなんとかしてやっつけられるものだったら絶対に片付けてやりたいと思うよ
いつでも笑っていて欲しいんだよね そのためなら何でもするつもりだよ 流石に焼き土下座とかそういうハードコアな事はできないけれどもね
炬燵に突っ込んだ足を中でバタバタさせながら、天板に突っ伏して右手の親指の爪を噛み続けているゆうかりん そんなゆうかりんの目の前に
スッと手を差し出してやるよ そして何の事かと聞かれる前に言ってやる 「噛むなら俺の爪を噛め」ってね ゆうかりんの心に巣食う黒いモヤモヤを
爪を噛むことで癒せるか耐えられるかするならば、ゆうかりんの爪じゃなくてもいいと思っただけなんだよ と言うよりこうでもしないとゆうかりんのために
何かをしてやる事ができないと思ったんだよね 本当に馬鹿な考えさ ゆうかりんも「馬っ鹿じゃないの」なんて言って俺の手と顔を交互に見返してたけど
俺があまりにも心配そうな、振りまくったシャンパンを開ける時みたいな顔をしているモンだから何か思ったこともあるんじゃないかな、ゆっくり息を吐いて
少しモゴモゴと口を動かした後に、俺の手をスッと持って自分の口元に運ぶんだよ 人差し指を真っ直ぐにさせて、そのまま軽くキスをしてくれて、
そしてちゅっちゅっと吸い付きながら爪を歯で噛むんだ 俺の顔をガン見しながらだよ 優しく俺の手を支えながら、爪をカリカリと小刻みに噛むの
わかるよ、この感覚、動物園のペリカンに餌をあげてる時の感覚だね 俺の反応を見ながら爪を優しく噛んだり、時々強く噛んでぎゅうっと引っ張ったり
俺の爪を好きなように弄ぶゆうかりん これで少しでも機嫌が良くなるといいんだけどね しばらくはお互い何も言わずに、ただゆうかりんに爪を与えていた
空いた手はゆうかりんの髪へ擦り寄って、いいこいいこってやってあげたりしてね ずっとそうやっていたらある程度ゆうかりんの気持ちも落ち着いたのか、
俺の指をぺっとやって「汚い指。あなた、ばっちいのよ」なんて言うんだ 口はへの字のままだけど表情だけは少し緩んでて、お座りして尻尾を振る犬のように
こっちを見ていたんだよ 思わず両手を開いて抱き寄せてやった 膝の上で撫でまくりながら「辛いことがあったら言ってね、俺も頑張るから」なんて言うと
「・・・うん」って返ってくるんだよね あと、ちなみに俺は噛むより吸うタイプだよ 小さいころは指を吸いまくり、今はゆうかりんを吸いまくり!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふふ


27 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/27
ゆうかりんと掃除したい
ゆうかりんと家中を掃除したい
年末は大掃除するのがどこの家でも定番だと思うんだよ 逆に言うと年末ぐらいしか大々的に掃除しないものさ、みんなそのはずなんだよね
「へー、お掃除やるんだ?頑張ってね」なんてゆうかりんが言うんだけどさ、当然一緒に掃除するわけなんだけどこの子は何を言っているんだろう
俺にそんなことを言いながら自分はまたもこたつに潜り込んで頭だけ出して、録画していた金曜ロードショーのジブリ映画に戻ったりするんだよね
特に深い意味合いがあるわけでもない映画の表面を撫でるように流れる「可愛らしさ」と「いじらしさ」を好きなように租借して露骨に顔をニコニコさせて
楽しそうにするゆうかりん そんな姿を眺め続けるのも俺には得だし、割と有意義な時間が過ごせるんじゃないかと思うことはあるんだけども
それでも今日は今日だからね、心を鬼にしてリモコンでテレビの電源を切るよ 暗くなった画面を見て「あー!」とか「もー!」とか叫びだすゆうかりんに
「掃除終わったら一緒に見よう」なんて都合のいいことを言って引っ張り起こす やらなきゃいけないことは早め早めに潰しておく方が後で楽なんだよ
愚痴ったりごちったり俺の性格を遠まわしに咎めたり貶したりして、ややあってようやくゆうかりんがやる気になってくれたんだ 割烹着に袖を通しつつ
「あーめんどくさいなー」なんて言いながらね 「どこかに掃除をやってくれる有能な生き物はいないかしら」なんてよくわからない事を言い出したりしてね
おっとここにザベストオブ有能を形にしたような成人男性自称人間がいるのには気付かないみたいだねゆうかりん でも正直俺も掃除はやりたくないけどね
そんなことも言いつつ作業開始だよ 何からはじめるかと相談したところ、目に見えるものからやっつけてしまおうという事で二人の意見が纏まって、
だから玄関の置物とか花瓶とかを拭きにかかったんだよ 二人で座り込んで雑巾で拭いたり拭かなかったりするんだ やっぱりこの時期は寒いから
電気ストーブを傍らに置いての作業だよ もう飽きたものだとか、片付け残したクリスマス飾りなんかは物置の適当な場所にまとめて置いてくる
少しの間はお互いに黙ったまま年末の掃除っぽい事をしてみたんだけどね、こういう時って何故だかわからないけど同じタイミングで飽きるんだよね
顔をあげて相手に呼びかけるんだけど「あなた」「ゆうかりん」って声が重なってさ、「お先にどうぞ」なんてわざとらしく順番を譲り合ってみたりしてね
そして言うことには「飽きたんだけど」「正直つまんないね」とかなんとかそんなことだよ やらなきゃいけないからって掃除のようなことをしてはいるけども
正直好きな行為でも楽しい行為でもないよね お風呂の時にゆうかりんの柔肌を撫で続けるのは俺に人生の充実感を好きなだけくれる至福の時ではあるけど
それとこれとは話が違うんだよね 「お掃除なんていつもと同じでいいじゃない」なんて言って、完全に飽きを感じている顔のゆうかりんが置物を持って
クリーンアップもそこそこに元の位置に戻したりするんだ そしてわざとらしく俺に寄りかかってきたり、俺の腿を枕にして寝転んできたりするの
うーうー言いながら、乳離れできない子猫みたいにね もう俺も完全に飽きちゃったよ やっぱり今度でいいかな今度でね どこかで聞いた言葉で
「明日やれる事は今日やるな」ってのがあるけどなんとなく壮大なダメ人間の空気が流れてて不思議な威圧感があると思うの まあそのうちやるよ、そのうちね
俺とゆうかりんは二人そろって炬燵に戻るよ 炬燵ってのはずいぶん偉い存在だよ、いつでも俺とゆうかりんを暖かく迎え入れてくれるんだよコイツはね
二人のマグカップを電子レンジに突っ込んでホットミルクをつくったりしてね ゆうかりんの分のお砂糖をこれでもかとブチ込んだりして出してやるんだよ
それを物覚えの悪い子供みたいに二人揃っておいしいおいしいって言って飲んだりね いやあ今日の我が家は非常にグータラだよ ある意味年末らしいね
だけど俺はゆうかりんとこうやってダラダラする時も好きだったりするんだ ま、大抵ゆうかりんが絡めばなんでも好きなんですけどね!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふふふ


28 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/28
ゆうかりんと考えたい
ゆうかりんと種族を考えたい
さっきからゆうかりんの顔がぐしょぐしょなんだ 俺が手をかけたとかあげたとかそういうのじゃないけど、涙と鼻水で見るに堪えない状況になってるの
ティッシュを使うのもいいけども、尽きたからって今度は人の服で鼻を拭うのは汚いと思うよ ゆうかりんばっちいよ、ばっちいって言い方可愛いよね
「だって、だって」って繰り返しながらもゆうかりんから溢れる雫は止まらないよ いつも思うんだ、ゆうかりんは本当に純粋な心を持ってるなぁってね
絵本が原作になった優しい感じの子供向けの映画を二人で並んで観たんだけどね、何故だかそれが予想以上にゆうかりんにヒットしたみたいなの
ヤギとオオカミが不思議な出会いをして、一方的な捕食関係であるはずなのに友人になっていくんだよ だけど周りはそれを認めてくれなかったり
オオカミの側でも食欲という葛藤があったりするんだ 紅魔館の門番さんにオススメされた映画なんだけど、俺とゆうかりんから見たら対象年齢は
ずっとずっと下の方だねこれ でもゆうかりんはこの有り様だよ 言ってもきかないし鼻水も止まらないようなので俺はもう小言を言うのをやめるよ
ここまで感情を揺さぶられているゆうかりんを見ると、なんだか俺の方が悪い気になってくるね 鈍感だとかEDだとかそんなつもりは全く無いんだけど
「ヤギの方これオスなのかなメスなのかな、それによって物語変わりかねないな」ってずっと考えてたんだよね 素直に楽しんでないわけではないけどね
エンドロールが終わって、DVDがメニュー画面に戻ってもゆうかりんはまだまだ目を腫らす作業に没頭している 俺の胸元に顔を押し付けて泣くもんだから
水分でビタビタになっちゃうんだよね おーよしよしって言って背中とか頭とかをさすってやるんだよ シャツは落ち着いたら洗濯機に突っ込めばいいかな
落ち着くまでゆうかりんとくっ付き合って待とうと思ったんだけど、ゆうかりん、ぐすっぐすってやってて全然落ち着かないんだよね リモコンをピッと操作して
DVDを出してケースに仕舞いたいんだけど、俺の身体をぎゅっとするからそれすらままならない 結局、消せないメニュー画面とゆうかりんを眺めながら
やっぱりずっと待ってたんだよ 涙交じりのゆうかりんが何か言うんだけどくぐもってたからよく聞き取れないんだ どうしたのって言って聞き返すと
「あなたはどう思ってるの」なんていうのさ 少し困る、映画の感想を求められても上手く答えられない人なんだよね なんと言ったものかと少し考えて
頬をかきながら「可愛い映画だったね」なんて言うんだけど、どうやらそうじゃないらしいの ゆうかりんはこの映画を身近な何かと重ねて見たらしくて
考えるものが止まらなくなっちゃったんだってさ 詳しく聞いてみると、それは自分達だと言う そうか、妖怪のゆうかりんと、人間の俺ということか
元々そういうの気にしてないというか今でも半分くらい信じてない俺は改めてそんなことを聞かされてなんとも言えずに目を白黒とさせてみるばかりだよ
無関心だったのは俺だけらしくて、ゆうかりんはどうやらすごく悩んでたらしいんだ 初めて聞いたよ、いつの話かと言うと200年以上も遡った、
ゆうかりんと俺が暮らし始めた時の事さ 人間と妖怪という種族の間に入る縦線みたいなものを非常に意識していたみたいなの ゆうかりんらしくないよね
そんなものぶっ壊してやるって言って笑ってくれればいいのに でもきっと俺のことを考えての事だったんだと思うと 情けないやら嬉しいやらよくわからない
わからないけど「大丈夫だよ、俺、今幸せだもん」って言ってやった そしたら、一瞬固まったゆうかりんがまた顔面ダム決壊させちゃうの、困ったね
少し落ち着いたゆうかりんと話をする 「ゆうかりんは見た目人間じゃないか」とかなんとか言ってみると、ゆうかりんはこっちも見ずに「そうじゃない」と言う
続けざまに「あなたが妖怪みたいな見た目してるのよ」だってさ 結局俺とゆうかりんを隔てる差というのは何なんだろう 悩んでも探しても見つからない
やっぱりあれだね、難しく考えると何事も良くないね 俺は男でゆうかりんは女、このくらいの捉え方が丁度いいんじゃないかな!と思うよ!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふ


29 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/29
ゆうかりんと参加したい
ゆうかりんと宴会に参加したい
この時期のイベントといったらやっぱり忘年会だよね まあ年が明けたら明けたで新年会が待ってるんだけどね、結局年中宴会って事なんだよね
博麗神社で忘年会を執り行うと聞いて、俺とゆうかりんも乗り込んでみる事にするよ 俺もゆうかりんもお酒は苦手なんだけどね、何故参加するのかというと
参加しないと怪しまれるんだよね この世界の人々や人じゃない方々は何故だかみんな酒好きで、往々にして宴会で大騒ぎするんだよね
みんなホントお酒ばっかり飲んでるんだよ 「みんなで酒を飲んで騒ぐもの」だと思い込んでるのか植えつけられているのかは知るところではないけど、
彼ら彼女らにとっては「参加しない」という事の方が不自然なんだよ 誘われたら参加する、参加しないんなら理由が無くちゃあ異変だと思われる、
なんてのはちょっと言い過ぎかな でも案外間違ってないとは思うよ、そんなところさ まあ、そんな話ばっかりでもなくて、今年一年もお世話になったし
色々な人に挨拶するつもりで参加しようと思ってね、ゆうかりんと準備なんかしてみたりするんだよ お外行き用の服を引っ張り出してくるゆうかりんに
「飲みすぎちゃだめだよ」と軽いジャブをかましてみる この雪の中で酔いつぶれたゆうかりんをおぶって我が家まで帰るのは少々骨が折れるからね
俺の言葉をふふんと鼻を鳴らしてかわしたゆうかりん、「大丈夫よ、ウコン飲むから、ウコン」なんて言うんだ ああウコン、あれは結構効くね、スグレモノさ
でもちょっと待ってよ冷蔵庫にあるウコンは俺が今日飲むために買っておいた一本しかないよね? これはつまり、まあ、そういう事なんだろうかね
まあ最初からゆうかりんのために買っておいた事にすれば痛くも痒くも無いよ、という良くわからない自己弁明をしつつ俺も上着に袖を通したりするよ
「あなた、飲みすぎちゃダメよ?私、面倒見きれないからね」とゆうかりんが言ってくる 簡単に調子に乗っちゃうゆうかりんも小悪魔的な可愛らしさがあるね
「わかってます」なんて返して、二人で手袋をつけた上から手を握り合って、結構積もった雪を踏みしめながら人里のはずれの宴会会場を目指すよ
雪の積もった石段で一度俺がすってんころりんしてからようやく辿り着いた博麗神社は既に宴会ゲージがMAXまで溜まった感じのハイテンションだったよ
もう次の瞬間にゲージを全部消費して何かが起きるんじゃないかってくらいの盛り上がりさ 毎度毎度よくここまで楽しめるものだと感心してしまうよ
二人でちゃっかり顔で参加して、周りの方にお酒を注いでもらったりする おつまみになりそうな料理をちょっと持ってきたから巫女さんに渡したりするよ
でね、ゆうかりん、飲むのは最初の一杯だけで、他は全部俺に渡してくるんだよ 「まあまあもう一杯」なんて言って横からお酒を注いでくれる地底の鬼さんを
「頂こうかしら」なんて言って話を合わせておきながら、スッとお猪口を俺を流すように渡してくるんだよね 俺は俺でもう一杯貰ったんだけどね
小声で「ゆうかりん飲まないの」なんて聞いてみる そしたら俺だけじゃなくてみんなに聞こえるように「今日はあなたの面倒見ないといけないの」だなんて
さっきとはちょっと違う事を言い出すんだよ 「おっ今日も熱いぞ」「またやってんのかあの二人」とか、そんな声が回りからこっちに飛んできたりするんだ
そして何故かみんな一丸となって、ゆうかりんをオールスルーして俺に飲ませようとしてくるんだよね 断るに断り切れない性格がここでも発揮されてしまって
次第に頭が重くなって、ワケがわからなくなってくれる俺 ぐるぐるする視界でゆうかりんがこっちを見て笑っているよ、ちょっぴりだけほっぺが赤いんだ
「お酒弱いんだから程々にしなさいってば」なんて言うんだ そういう割には俺に酒を注ぐ方々を止めるようなことは一回もしてくれなかったんだけどね
死神さんに飲んでるかときかれた時に、ゆうかりんは違う事を答えるの 「今日は私がこの人を介抱してあげるのよ、おんぶして帰らないとね」なんてね
ちょっと嬉しそうに答えるんだよ いつもと立場が変わっちゃったね、ゆうかりんたら最初からそうするつもりだったのかな?嬉しいね!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふ


30 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/30
ゆうかりんとやりたい
ゆうかりんと悔いを残さないようにやりつくしたい
「あなた」ってゆうかりんが俺を呼ぶ 今日は何も用事が無いから、持て余し気味だったらどこかに遊びに行こうとか、外がとても寒いみたいだったら
家の中で一緒にゆっくりしようなんて言ってたんだ そんな時にゆうかりんが言うには「やり残したことは無いの?今年ももうお仕舞いなのよ」だってさ
えっヤり残した事!って半ば反射みたいに答えたら「あ、下らない事言ったら引っ叩くからね」って美しい笑顔で言われてしまったので無かったことに
有り余る下心は時に必死で隠さなくちゃいけないね、親しき仲にもなんとやらってやつは大事だからね というわけで少しばかり咳払いして姿勢を正して
やり残した事について考えてみるよ 椅子に腰かけて軽く口元に手を当てて考え込むポーズをする俺をゆうかりんが前かがみになるようにして覗き込むよ
脳内の引き出しをとりあえず片っ端から開けてみることにする だけども特にめぼしいものは入ってなくてね、見つけられたのもちいさなメダルくらいでさ、
結局無いんだよね、やり残した事なんてね ゆうかりんの方を向き直して「ない」ってハッキリキッパリ言ってやるよ 今年、もう終わっちゃうところだけど
やりたいことはゆうかりんと二人でやってきたと思うんだ 一年という区切りがつくところにはきているけど、後ろを振り返っても残ったものはもう無いよ
ゆうかりんに無いと言った手前、どう反応されるのかなーって少しばかり気になる そしたらゆうかりんは一瞬だけきょとんとした顔になってね、
俺の顔をまじまじと見つめた後に軽く吐息、そして「なんだ、あなたも同じなのね」とか言うんだよ 似た者夫婦という呼ばれ方をすることもある俺達、
結局まだ同じだったみたいだね やりたいことは好きなだけやってきたってゆうかりんも感じているみたいだよ 結局毎年毎年こんな感じなんだけどね
「まあまあいい一年だったわね」ってゆうかりんが それに素直に頷く俺だよ いくらか大きな出来事があったりなかったりしたけれども結局のところは
いつもと同じ終わり方なんだ 「今年もよかった、来年も良くなるよね」って感じのね 考え方に年末補正がかかって柔らかくなっちゃってるんだね
なんだかんだで一通りやった年末の大掃除、その疲れを感じながらゆうかりんと一緒に炬燵に入るよ 正方形のちっちゃい炬燵なんだけども、
無理やりゆうかりんと一つのスペースに入るんだよ 他に三つ分開いてるんだけど、あえて二人で一つの場所にぎゅうぎゅうしながら入るんだよ
俺とゆうかりんはこっちの方が向いていると思う なんとなく狭苦しいような感じがね、狭苦しく見えるだけでお互いの心は満ち満ちているんだけどね
ゆうかりんが空中に向かってぽつりと呟くよ 「来年は何をしようかしら」ってね 来年の話しちゃうんだ、ゆうかりんは気が早いね、って言ってみたら
「気が早いというよりは楽しみなの、あなたともう一年過ごせるのよ?」なんて言うんだ その顔はどこか悪戯っぽくて、はたまたなんとなく大人びているようで
俺を不思議な気持ちにさせるんだよ 俺は思うんだよ、ゆうかりんの表情っていうのは端の見えない地平線みたいなものだってね これだけ一緒にいても
次の瞬間には今まで見たこと無い顔になって俺を驚かせたり喜ばせたりして、俺の表情まで変えちゃうんだ 海の底めがけて深く深く潜って行っても
見たことのない何かに出会うだけでまだまだ底にタッチできなくて、どんどん吸い込まれていってしまうような気分さ 俺はね、できるなら、この先もずっと
ゆうかりんのそんな表情を見続けていたいと思うよ それも一番近くでね 間近でずーっとゆうかりんを見ていたら一年どころか百年も二百年も
一瞬で過ぎ去ってしまいそうだからそこだけはちょっとばかり困りものだと思うけどね ニヤニヤしながらゆうかりんの顔を眺めていたら、
「何?何かついてる?」って聞かれちゃうんだ 当然何もついてないんだけど、俺は「ああ」とか「うん」とかその辺に転がるような適当な言葉を口から出して
無駄にゆうかりんのほっぺを触ってみたりするんだ ゆうかりんのほっぺは柔らかいよ、というよりゆうかりんは全体的に柔らかいんだよ!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふ


31 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/31
ゆうかりんと振り返りたい
ゆうかりんと今年を振り返りたい
大晦日は夜更かしをしてもいい日だよ だから基本的には早寝の俺もゆうかりんもこんな遅くまでだらだらしていても別に悪い事じゃないんだよね
テレビでは「一人紅白歌合戦」という良くわからない企画がやってるよ 夜雀の歌手さんが今年流行った歌を一人で歌い切るっていう挑戦企画だってさ
なんとなく年末にふさわしい下らなさだと思ってゆうかりんと二人そろってそれを見てるよ 年末とはいえ特に見たい番組もないし、やりたいことも無いからね
「今年もいろんな事があったじゃない」なんて、炬燵の向かいのゆうかりんが言い出したから俺の脳内は一気に懐古の流れに突入してしまったよ
目を閉じて口を閉じてじっと考えてみても、そうじゃなくて両方とも馬鹿みたいにバーッと開けて考えても色々と浮かぶよ 今年は結構色々あったよね
とりあえず「うん」って返す 目の前のゆうかりんはいつもと同じようにニコニコしてるの 力を込めて曲に歌を乗せるテレビの方は全然見てなくて、
ずっと俺の方を見てるもんだからなんとなく恥ずかしいよね 「ちょっとあれ持ってくる」なんてゆうかりんが言って、炬燵から足を引き抜くんだ
そのままぱたぱたと向こうに行ってしまって、そしてすぐに戻ってくるよ 「じゃーん」ってわざとらしく口で言いながら持ってきた白い表紙のそれには
「2011」という箔押しがされているんだよ これは二人の思い出のアルバムだよ、俺もゆうかりんもこういうのが好きでね、一年ごとに一つずつ
新しくしていってるんだ 知り合いの新聞記者さんがカメラで撮ってくれた写真だとか、二人が載った新聞のスクラップとか、そんな感じのものが
ゆうかりんのコメントと共に載っているんだ 炬燵の向かいにいたゆうかりんは、今度は俺の横に座るよ ぎゅうぎゅうになって狭いけども
こうやったら二人で見られるし、二人でくっつけるからこっちの方がいいね ゆうかりんと手をぴったり重ねてページを一枚ずつ開いていくよ
例大祭に行ったりだの、月面旅行だの、あとは結婚式だの、そういう写真がいっぱい出てくるんだ どの写真も俺が情けない顔をして映っていて、
その横でゆうかりんがとびきりの笑顔で映ってる やっぱり写真を見ると思いだせることもあるよ、あの時の気持ち、感動だとか、喜びだとかそういうの
たまには思い出にゆっくり浸るのもいいものだよ 結婚式の最後に撮った、すごく綺麗なゆうかりん、カッコつけてる俺、お祝いに来てくれた幻想郷面々の写真
式場代わりにした紅魔館の前で撮った奴なんだけどね、これを見てるとさ、その時も好きなだけそういう気分に浸ったのに、また勝手にそういう気分になるんだよ
嬉しいんだけど、どこかしんみりとしていて、空気が生ぬるいんだよね ただ一つ、「昔には戻れない」っていう当然の事実がそこで俺を見て笑ってるのが
なんとなく気に障る感じだよ ここでゆうかりんが脇腹を肘でつんつんってしながら「しんみりしちゃってどうしたの?後悔しないって言ったじゃない」なんて
俺を弄ってくるんだ よくわからない気持ちを追っ払うために、俺は思い切ってゆうかりんの方を向いて、正面から肩をガッと力を込めて掴んでやる
頭の上に「!?」の記号を浮かべたゆうかりんの目をまっすぐ見ながら「ゆうかりん、好きだよ」って言ってやった しばらく二人ともそのまま固まって
その後ゆうかりんは目を逸らすんだ 「いつも聞いてるし、いつも言われてるけど、やっぱり恥ずかしい」とか言いながらね 肩が少しだけ震えているの
まあね、言う方もぶっちゃけ恥ずかしいんだこれ でも言わないといけない気持ちになるときだってあるんだ そのまま無理やりゆうかりんに顔を寄せて
唇を重ねてやったりするんだ お互いに目を閉じてはいるものの「何か」を見つめたままでのキス そのまましばらくゆうかりんと二人で一緒になってた
でね、気付いたらテレビの中の歌姫は既に舞台を降りていたどころかもう既に年が明けちゃってるんだよね 一緒にカウントダウンをするのを忘れて
ゆうかりんがなんとなくもったいなさそうな顔をしてるんだ ま、それでも新年は新年だからね、あけましておめでとう、これからもよろしく!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふ


32 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。


風見○○・幽香




33 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:MoKuMoKu
|っ^ー^)っ http://www.youtube.com/watch?v=xR9R1MDsSpo&feature=related 


34 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ ←日記休載中に秋が終わってしまったので全く出番のなかった姉妹


35 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 例大祭申し込みます。

軽い本を出したいと思ってます。軽いの。



以下、諸事情により枠に入れなかった日記


36 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/0
ゆうかりんと入りたい
ゆうかりんとお風呂に入りたい
「寒いから温泉の素入れる」ってゆうかりんが言うんだ たぶん寒くなくても入れるって言い出すと思うんだけどね、ゆうかりんはそういう子だよ
でも寒いのもまた事実さ 12月になったと思ったら一気に冷え込みやがってね、吐く息が勝手に白くなって自己主張を始めちゃうんだよ
このままだと初雪が見られるのもそう遠くは無いだろうね もう冬なんだなーって思わされるよ、秋の短さに嘆く暇も無く冬なんて色々皮肉だよね
ゆうかりんが温泉の素を入れると言ったので、俺は脱衣所の上の棚から温泉の素のパックを手探り手探りして取り出すよ いくつか取り出して
今日のゆうかりんの気分に合ってそうな香りの温泉の素を選ぼうと思ったんだけどね、取った三つが全部「地霊殿温泉の香り」だったから
選択の余地なんて初めからなかったわけだよね だから何食わぬ顔でパックをひとつ、ぽいっとゆうかりんに投げるようにして手渡してやるんだ
「ん、これが欲しかったの。あなたも気が利くようになったわね?」なんて笑顔で言うゆうかりん なんとも言えない気分の俺は適当に頬を掻くよ
それにしても、こんなやり取りをしている間も寒いんだよね 居間と比べて脱衣所ってなんでこんなに寒いんだろうね、気の利かない場所だよね
とっととゆうかりんの服を脱がせてやって、自分の服にも手をかける 生まれたままの姿になったゆうかりんは子供みたいにはしゃぎながら
浴槽に向かって温泉の素をブチ撒けるんだよ 温泉の素でお湯の色が変わっていくという当然の行為がやたら面白いらしいんだよ、可愛らしいよね
俺はそんなゆうかりんをニヨニヨ見つめながら身体を流さずに湯船に入ったりしてゆうかりんにちょっとしたお小言を言われたりするんだよ
浴槽に浅く身体を入れる俺、足の間のスペースを空けるようにして、そしてそこに身体を流したゆうかりんが俺に背中を預けるようにして入るんだ
俺の目の前のちょっと低い位置にゆうかりんの緑髪が来るの いつも通りの体勢だよ、そのままゆうかりんの身体に手を回したりしてみたり
回すだけじゃ飽き足らずに色々と悪戯してみたりしてみなかったりするんだよ その時その時でゆうかりんは笑ったり怒ったりしてくれるんだよ
これは俺の落ち着く瞬間でもあるよ、リラックスできる場所ってのはいくつかあるんだけど、ゆうかりんと一緒に入るお風呂ってのは代表的存在さ
ゆうかりんに背中を押し当てられたまま浴室の天井なんかを仰ぎ見ると、なんだか時間もゆったりまったり流れるような気さえするんだよね
湯船もゆうかりんの体温もどっちも温かくて、俺はなんだかとろけたような気分になるのさ 壁を隔てたお外の事をふと思い出して、「寒いのやだな」
ってぽつりとつぶやいてみたんだ ゆうかりんがもぞもぞと動いて「私も」って言うんだ ゆうかりん、寒いと露骨に元気なくなっちゃうからね
「全く、冬なんてとっとと終わって欲しいものね」なんて言うゆうかりん 先が思いやられて思わずアルコールに走りたくなるようなそんな台詞だね
年が明けて、一月二月、そうなったら幻想郷は白の一色に統一されることになって非常にシンプルな景色が広がる事になるし、雪かきは大変だし、
呼んでも無いのにレティさんがちょっかいかけに遊びに来るしで結構大変なんだよね 何度も言うようだけど寒いし、寒いの苦手なんだよお互いね
「ゆうかりんの身体にずっと触れていればあったかいんだけどなあ」って言って、ゆうかりんの肩から回した腕をちょっとだけ強くぎゅっとしてみたの
そしたらゆうかりんがもっと身をよじってね、地霊殿温泉みたいな色になったお湯をちゃぷちゃぷ言わせるんだよ きゃっきゃと声を上げながらね
このよをつつむおおきななにかが俺を許すんだったら俺はずっとゆうかりんを抱きしめていたいよ むしろ暑い夏の日でもずっとそうしていたいんだよ
でもまあそんな事は色々と叶わなくて、現実という強大な存在に落胆しつつ、そろそろ身体を洗おうとゆうかりんを立たせるのさ ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふふふふ


37 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/0
ゆうかりんに捨てられたい
ゆうかりんにポイ捨てされたい
「家庭的になりたい」って最近ゆうかりんが言ってるんだよ それこそ口癖のようにね 結婚してから何か思うところがあるのかもしれないけどさ、
「私が家庭的じゃないのはあなたが全部家事やっちゃうからよ」って言ってくるのは何か間違ってるような気がするよね ゆうかりんのために良かれと思って
家事をこなしている俺が悪人みたいな言い方は流石に悲しみを背負いかねないよ でもね、こういう時に返す台詞ってのもちゃんと用意してあるの
「じゃあゆうかりんアイロン掛けやってくれるの?」ってね ひょうひょうと喋っていたゆうかりんはピタリと口を結んで止まってしまうんだよ、苦手だから
しばらく黙った後に、ぽつりと「……それはあなたがやる約束でしょ」なんて言うんだよ そんな約束は生まれてこの方した事が無いんだけどね
アイロン掛けという関門だけは俺もゆうかりんも苦手で困るよ それでも誰もやらないともっと困るから俺が食後にせこせことやったりするんだよ
アイロン熱いよね、ゆうかりんがさ、昔間違ってアイロンに触ってしまって火傷したことがあるらしいんだ、だからアイロン掛けが嫌いなんだってさ
お外では「圧倒的な物理攻撃で人でも妖でも何でもねじ伏せる大妖怪風見幽香」として通ってるゆうかりんが火傷ひとつで苦手意識を植え付けられるなんて
案外アイロンも捨てたモンじゃないな、なんて適当な事を考えながら洗いたてのゆうかりんのシャツのしわを伸ばしたり伸ばさなかったりするんだよ
さて、先日ね、また同じように「家庭的になりたい」とか言うゆうかりんに「何も家事をこなすだけが家庭的って事も無いんだよ」って言ってあげたんだよ
細かい事に気が付くとか、家庭を顧みるとかさ、そういうのも家庭的なポイントだって教えてあげて、その上で「ゆうかりんがそうなってくれたら嬉しい」って
言ったんだよね まあ今でも十分家庭的ではあると思うんだけどね、本人はもっともっと上を目指したいんじゃないかな、ママになりたいらしいからね
ゆうかりんはわかったようなわかってないような顔で笑って「あら、そう」なんて言うだけだったんだよ でさ、今日のお勤めを終えて帰ってくると
何やらいつもの2割増しくらいでニコニコしたゆうかりんが俺を出迎えてくれるんだよね どうしたの、機嫌良さそうだね?なんて言って頬を撫ぜてやると
ゆうかりんが聞けと言わんばかりに話を振ってくるんだ 「あのね、あのね」って小学生の子供が今日あった事を親に話す時みたいな可愛らしいテンションさ
俺も聞く気マンマンになっちゃって、ゆうかりんに言ってもらうんだ 胸を張ったゆうかりんが言うにはね、「冷蔵庫にあった卵が腐ってたから気を利かせて
全部捨てておいたから」って言うんだよ そしてこの顔だよ、どうだ褒めろと声が聞こえてきそうな顔で俺を見るんだよね 対する俺の顔はと言うとね
笑顔がペリペリペリっと乾いて剥がれて落ちてしまったよ まず何から言えばいいのかと思ったよ、それは黒くて独特のニオイがしていていいものなんだよ
だってそれは俺が買い溜めしていた青島皮蛋だからね 地底の都の中華物品店で買い込んだやつなの いつだかの旅行の時に食べたらすっかりハマって
忘れられなくなったから買ってきて置いておいたんだけどね 生ゴミ入れをあけてみるとボロンボロンとアヒルの卵が転がっているんだよ 何が辛いかって
怒るに怒れないところだよね、ゆうかりんは何も知らなかったし良かれと思って俺のためにやってくれたわけだからね でも俺は青島皮蛋とエビスビールで
一杯やろうと思って帰ってきたわけだからね、この差は大きいよね 何とも言えずに口をもにょもにょと動かした後、「それはよかったね」とかなんとか言って
そのまま不貞寝してやったよ 寝て忘れる事にするよ 今日だけは拗ねてやろうと思ったんだ ゆうかりんは俺を疲れてるモンだと思ってほっといてくれてるけどね
暗くした寝室のベッドの上、布団の中で丸くなって「いいんだいいんだゆうかりんなんてふーんだふんふーんだ」って言ってそのまま眠りに落ちてやるよ
でも目を覚ましたらゆうかりんが添い寝してくれてたりすると気も揺らいじゃうよね 次からは断ってから皮蛋を買おう、むしろゆうかりんも食え!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふふふ


38 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/0
ゆうかりんと耐えたい
ゆうかりんと暑さに耐えたい
幻想教にサウナ施設があるとは思わなかったよ 何でも最近は河童が技術を革命的に躍進させたとかなんとかでそういうのも作れる状況らしい
やっぱり技術の発展って素晴らしいよね、この調子で我が家の近くに24時間開いてるゲーセンとか作って欲しいと思うのは当然だよね
で、そのサウナなんだけど 天然温泉にくっついてるサウナでさ、すごく調子のいいカンジのモノらしいよ 加えて男女共用ってのが
外の世界とは完全に違う点だよね 圧倒的に男性個体が少ない事から無駄を減らすための配慮だけど、幻想郷らしいと言ってしまえばそれまでだよね
このシステムは俺にとって得だよ 何故かと言うとゆうかりんと一緒に入れるからね ゆうかりんと一緒に入れないサウナなんて暑いだけだろうね
そんなわけでだいたい10分くらいは経ったかな、と思ってね、時計をチラッと見るんだけどもまだ5分も経ってなくて軽く望みが断たれる気分だよね
「どうしたの?もう限界?出ちゃう?」って何やらイケナイコトを思わせるような台詞を吐くゆうかりん お互いに汗ダラダラでぬらぬらしてるのがやらしいね
申し訳程度に前を隠してるんだけどそのタオルで汗を拭うから結局隠し切れてもなくてね まあゆうかりんと俺しかいないからいいんだけど
ただ俺の股間がタオルで隠し切れなくなる危険性もあるからね、そこらへんは注意して欲しいよね それにしても暑くて暑くて嫌になってくるよ
何故こんなことをしてるかと言うとね、ゆうかりんと勝負する事になったんだよね どっちがこの暑さに長く耐えられるかっていうシンプルな勝負さ
妙な自信をチラつかせながら「どうせあなたに負ける事なんて万に一も無いでしょうけど」とか言ってくるゆうかりんを見るとさ、売り言葉に買い言葉、
乗ってやろうじゃないかって気分になっちゃうよね ゆうかりんのペースに巻き込まれた時点で自分が不利な状況に陥ってるっていうこの法則がね
毎回毎回俺を苦しませるんだよ 毎回やってるのに全然成長しない自分も自分なんだけどね さて、額から垂れた汗が自分の目に入るこの感覚、
これがあまり好きじゃないよ 汗ばっかりかくものじゃないよね ゆうかりんの方を見ると「まだまだ余裕」と言いたげな表情で無駄な笑顔を見せて、
そしてわざとらしく身体をよじって俺の視線を避けたりするんだ 別にこんなところで取って食いやしないよって言うのに、やれ「男はケダモノだから」とか
どこで覚えたのか知らない台詞を言ってきて俺の立場を悪くするんだ 「私が勝ったらコーヒー牛乳とフルーツ牛乳両方ね」って言うゆうかりん
えっそんな約束してないよね、俺初耳なんだけど、って聞いたら「それは当然よ。私も初めて言ったもの。今決めた」って当然のように言うんだよね
ゆうかりんには敵わないよ だけどこの勝利を確信している表情は我が女ながら小憎たらしいものだね ここは一つ攻めに転じてみようと思うの
具体的に言うとこの汗まみれの身体でゆうかりんに抱きついてやってね、サウナの暑さと俺の暑さの二重苦を味わわせてやることにしようかっていうね
こんな事を考えてたらサウナの戸が開いてさ、色とりどりの髪色をした山の神様御一行がドカドカと入ってくるんだよね そうなると焦るのは俺だよ
ゆうかりん以外の女性の裸を見なれていないというか、見たら反応してしまうというか、見たら見たでゆうかりんの機嫌が一気に悪くなるとか
ここらへんは混浴の弊害ってヤツさ でもゆうかりんの反応は早かったよ、俺の腰元を隠しているタオルを勢いよくひっつかんで俺の顔に当てるの
ビターンってやって当てて、そのままアイマスクするように目を覆うんだ 俺の視界は完全に封じられる事になるよね ゆうかりんはにこりと笑って
神様一行に「ごきげんよう」なんて言ったりするんだ でもさ、よく考えてみてよ、結局タオルは二枚必要だったんじゃないのかなって思うよ
どっちかっていうと視界よりも股間を隠したかったんだけどね どっちに転んでも俺がガン不利な状況だってことかな?これは負けそう!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふ


39 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/0
ゆうかりんに触れたい
ゆうかりんに触りたい
ゆうかりんにベタベタ触れたい こうさ、好きな人の手を握ってると勝手に心が安心しちゃったぜハッハーみたいな展開って無いかい?
そういう事が言いたいんだよね ゆうかりんの肌に触れてると問答無用で心が落ち着いちゃうんだよ なんとも不思議な現象だよね
お散歩の時に手を握り合ってる時だってそうさ 暇を持て余したゆうかりんが俺の方にもたれかかってきた時だってそうだよ
お風呂でお互いの身体に泡をつけて洗い合う時だって、ベッドの上で二人で仲良くする時だってそうさ ゆうかりんに触れると落ち着くの
シルクのボクサーブリーフが裸足で逃げ出しかねない程のすべすべさ加減を持ったゆうかりんのお肌、そこから伝わるほのかな体温が
俺の体温と混じり合う時にこの上ない安堵感を得るんだよね ぷにっと触れるゆうかりんのお肌の奥、その奥の奥から伝わるあたたかさ、
別に「暖かい」わけでも「温かい」わけでもないんだよね ゆうかりんは「あたたかい」んだよ 俺はこのゆうかりんのあたたかさが大好きさ
さてさて 今日は10月にしては随分とぽかぽかした陽気でね、箪笥の奥にしまい込んだはずの部屋着のハーフパンツなんか履いちゃって
特に何をするわけでもなくゆうかりんと家の中でのんびりしていたんだよ 隣同士に座って、お互いに肩を抱いたり手を握ったりしながら
興味があるわけでも何でもない朝の主婦向け情報番組を眺めたりね 天狗のリポーターが人里で最近流行りの店に突撃取材してたりしてて、
なんとも慌ただしい番組なんだよね、ゆうかりんと笑い合いながら「ないわー」とか「変なの」とか言い合ってたんだよ その時にふとゆうかりんが
俺の足元を見るわけだよ いきなり下を覗き込むから俺も気になってね、「どうしたのゆうかりん」って聞いてみる ゆうかりんは何やら
口をもごもごした後、軽く咳払いして調子を整えてね、「あなた、足むくんでない?最近仕事ばっかりだから」って言い出すんだよ
むくむ、っていうのはわかりやすく言うとピザるって事かな 自分では何も実感は無いよ、疲れている気もしないし、そんなようにも見えない
それでもゆうかりんにはわかる事があるのかもしれないね、俺の身体を一番良く知っているのは俺自身じゃなくてゆうかりんだからね
「そうなのかな」って言ったら「そうよ!」って勢い良く返された そのまま手を下に伸ばして、ふくらはぎのところをぎゅーって抓まれるんだ
少し力が強くて身体がびくっとしちゃうの ゆうかりんがぐいっと顔を寄せてきてね、「マッサージくらいしてあげようかしら」なんて言うの
顔を思いっきり寄せるものだから何故だか威圧される感じになっちゃってね、まあ悪い事ではないからせっかくだからお願いしてみたんだよ
そうとなると早速俺の足元に跪くようになるゆうかりん なんだかこの光景はすごくいい気分だね、本人に言ったらきっとブッ飛ばされるけど
そして俺の脚を両手でモミモミしてくれるんだ 今度は丁度良い力加減でね、ゆっくりしっかりとコリをほぐすように脚を触ってくれるの
時おり俺の方をちらちらと見ながらね 感想を言わなくちゃいけないような気がして「すごい気持ちいいよ」ってデリヘル嬢との会話みたいに言うと
ゆうかりんはニコッと笑って「良かったじゃない」って言うんだ そのまましばらく俺の脚を優しくしてくれるゆうかりん 右の足をたっぷり弄ったら
今度は左の脚に行って、揉むだけじゃなくて擦ったり伸ばしてくれたりもして本当に気持ちがいい でさ、だいたい両方終えたあたりでこう言われるの
「いつ見ても綺麗な脚してるわね、むくみとは無縁の」なんてね えっそれさっきと言ってる事が違くない? ゆうかりんは悪びれずに答えるんだ
「何か理由を付けてあなたに触りたかっただけよ。私、あなたに触れると落ち着くの」だって なんだ俺と一緒だったのか!落ち着くよね!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふふ


40 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ 12/0
ゆうかりんにせがまれたい
ゆうかりんに必死でせがまれたい
神妙な顔付きのゆうかりんが俺に詰め寄ってくるんだよね その目はどこか潤んでいて、次に来る言葉の重みを増しそうなズルさを醸し出しているんだ
そんな状態でじりじりと近づかれてしまって俺もどうしたものやら いやね、俺も心の準備ができてるのかできていないのかと聞かれてしまうと
「今は時期が悪いから来年の例大祭まで待って」って言ってしまいたくなるんだよね つまるところ全然できてないの、うわあなんだか超不安なんだけど
この雰囲気はもしかしてアレかな、ついに二人の愛の結晶が誕生しちゃうのかな 俺がパパになってゆうかりんがママになってしまう展開なのかしら
願ったり叶ったりなはずなんだけどまだ自信が持てないというかまだ若いし早いというかね あーもう耳を塞いでエラ呼吸しながら海底に逃げたいね
生唾を飲み込んだのは俺だけじゃなくて、目の前のゆうかりんもそうだったみたい 先ほどとは違って何やら意を決したような表情になっているの
俺の口から出た言葉は「ま、待った!」っていう逆転裁判みたいなものでさ、それでもゆうかりんを揺さぶる事はできなかったみたいなんだよね
ゆっくりとゆうかりんの口が開くよ 俺は時間がゆっくり流れるような感覚に襲わるんだ これはきっと分岐イベントさ、今後の流れが変わるんだよね
直前でセーブしたかった、なんて下らない事を思いながら、半ば諦め気味にゆうかりんの言葉を待つよ でね、次の瞬間ゆうかりんは勢い良く
俺の前で両手を合わせて頭を下げるんだ そのまま「欲しい物があるから買って下さい!」って言うのさ 「えっ」て言っちゃうよね、これしょうがないよね
何それその程度の話なの?勝手に勘違いして心臓をバクバクさせていた俺が馬鹿みたいじゃないか どうやらこの話題は先延ばしという事になりそうだね
勝手に胸を撫で下ろして勝手に脱力して勝手に溜め息なんかついてみるよ 椅子に腰かけてよくよく話を聞いてみると、ゆうかりんが欲しいものというのは
「花の子ルンルン」のDVDボックスらしい ゆうかりん、子供みたいに「どうしても欲しいの」なんて言いながら俺の服の襟を掴んでぶんぶん揺するんだよ
「クリスマスだし、いいでしょ?ね?ね?」だってさ クリスマスにはまだちょっと早いし、それにそういうのは俺じゃなくてサンタさんにお願いしなよ、なんて
意地悪を言ってみるとゆうかりんの顔がみるみるうちに泣きそうになっちゃうんだ 「どうしてもあなたと一緒に見たいの」だとか「花言葉の勉強もできる」とか
なんとか言って俺の気を自分の側に傾けようと必死なんだよ 一回のお話が終わると最後に花言葉の解説とかやるから俺の知育にもピッタリなんだってさ
俺の知育って何だい、俺はもう知育が必要な年齢ではないよ、とっくにね そういう理由を付けて買わせようとしてくるゆうかりんに、適当な花の名前を
いくつか言ってみてもらうの ゆうかりんが挙げた三つの花の花言葉を「愛嬌」「門出」「夫婦円満」と、サラサラと答えてやるよ そしてこのドヤ顔である
ゆうかりんはぷーっと頬を膨らませて「なんでそんなに詳しいのよ」なんて言ってくるんだけど、これはゆうかりんが無理やり教えてくれた事なんだよね
何かにつけてゆうかりんが俺にお花の知識を教えようと、文字通り「植え付けよう」としてきたから覚えちゃったんだよ 簡単なものなら大抵答えられるよ
「だからお花の勉強なんて必要ありません」って言ってやる それにゆうかりん、二人の将来のためにお金を溜めようって言ったばっかりなのに、
俺にばっかり節約させて、自分は好きなもの欲しいって言っちゃうんだ? なんてね、今日の俺のイジワルさは年末なので2割増しになっているみたいだよ
無言で俺の胸をどんどんと叩くゆうかりん 自分の思い通りに行かなくて、行き場の無い思いを抱える子供の顔さ まあ、最終的には弄り飽きたから
「サンタさんに聞いてみるね」なんて言ってゆうかりんを喜ばせて、自分はひとりAmazonのマケプレでDVDボックスの値段を調べてみたりするんだよ
アニメのDVDってホントに高いよね、でもゆうかりんのお願いはもっと高いし、ゆうかりんの笑顔はプライスレスだよ 「カートに入れる」・・・と!ね!ゆうかりん!
うふふふふふふふふふふふ


41 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ


42 :バウムクーヘン名無しさん:2012/01/04(水) 13:51:27 ID:YuUkRin
|っ^ー^)っ どなたかサークルカット描いて下さいお願いします・・・ホンマに・・・ホンマに・・・


43 :停止しました。。。 :停止
   真・スレッドストッパー。。。 |っ^ー^)っゎぁぃっ★






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